解説:文葉

ススー

(仏/Sous-sus)

「ススーのまま、腕はアン・オーでキープして!」

 バレエのレッスン中、よく耳にしそうなお馴染みのフレーズじゃありませんか? 今日はブリーゼしなかったな…という日があったとしても、ススーをしない日は一日たりともないでしょう。

 ススーとは。ポーズの名前です。足を五番にクロスさせ、ルルベで踵を持ち上げドゥミ・ポワントまたはポワントにすると同時に、よりクロスをきつく、タイトな五番にします。親指同士が重なるまで絞って。お行儀良く立ち止まっている、そんなイメージです。その場で行うほかに、ピケと組み合わせるなど移動を伴うこともあります。

 前足で後足を隠すように立つ。これが語源でしょうか。直訳すると「下に上に」。これだけだとどんな方向の動きかわかりにくいので英訳するとunder-over、「何かの下に置かれている状態」と「何かの上に覆いかぶさっている状態」が連想できて…。ほら、片足がもう片方の足を覆っているでしょう。

 音の響きや仏語のつづりからは何かおまじないのようなかわいらしさを感じますが、実際は「tighter and tighter !!」。より脚をクロスするのが肝心で、体の柔軟性と我が身を甘やかさない厳しさが要求されるポーズなのです。「下に上に」を別な意味にも捉えて、脚も背筋も首筋も、体全体を床方向へと天井方向へ引き合うように体の中のバランスを取り、すっくと立つ。見た目の「静止」状態とは裏腹に、均衡を保つことに全神経を集中させることでむしろ辺りに高揚したエネルギーがにじみ出ているような感覚さえあります。エネルギー量は振付に左右されますけど。緊張感こそが美の原点と心得て、脚が一本に見えるまでクロスさせてみてくださいね。