解説:文葉

ソ・ドゥ・バスク

(仏/Saut de basque)

 バスク風のジャンプ、という意味のパ。バスク地方というのは、スペインとフランスの国境に走るピレネー山脈の西側を中心に、バスク人が住まう両国にまたがった地域のこと。ピレネー山脈に定住していたバスク人の歴史は長く、紀元前旧石器時代の遺跡もあるほど。文化面も豊かで、滑歩(パ・グリセ)、デカジェ、ロン・ド・ジャンプなどの組合わせで、大地や宇宙との接触をリズム感で表現した民族舞踊があるのだそう。映像を少し見ただけでは、どこを真似たのか、私には判明させることができませんでした…。
 飛ぶパには、飛び上がった場所と同じ場所へ着地するものと、移動するものがあります。ソ・ドゥ・バスク後者の一つ。クロワゼ・ドゥヴァンからトンベで踏み切り(これが助走)、動作足をデガジェしながら空中に投げ上げ背中を観客に見せるように半回転、次の半回転で軸足をルティレにし、動作足で着地します。男性の踊りに多く空中で2回転させるのが通例。一番有名なのは、『海賊』のパ・ドゥ・トロワに差し込まれているアリのヴァリエーションでしょう。冒頭、両膝を折り曲げる方法のソ・ドゥ・バスクで観客を陶酔させてくれます。
 フィギュアスケートでもジャンプに注目が集まりますけど、空中で回転するという離れ業は昔からもてはやされていたのでしょうね。フィギュアで飛び上がる瞬間の写真で肩への力の入り具合を見ると、やはりスポーツなのだな…と実感します。バレエはよりエレガントに、肩の力を抜くことが美しく回るために必要です。ポー・ドゥ・ブラは柔らかく美しく。脚だけでなく上半身チェックもぬかりなくしましょうね。