荒部 好

『ロミオとジュリエット』『マノン』『パゴダの王子』英国ロイヤル・バレエ

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 英国ロイヤル・バレエ団によるケネス・マクミラン振付の全幕バレエ3本だて、という豪華なDVDBoxが発売された。
 演目は、アレッサンドラ・フェリとウェイン・イーグリングの『ロミオとジュリエット』、ジェニファー・ペニーとアンソニー・ダウエルの『マノン』、ダーシー・バッセルとジョナサン・コープの『パゴダの王子』。どれも決定版と認められているヴァージョンである。
『ロミオとジュリエット』は、英国ロイヤル・バレエというよりも20世紀を代表するドラマティック・バレエの名匠、サー・ケネス・マクミランが初めて振付けた全幕バレエで、1965年の初演では、マーゴ・フォンテーンとルドルフ・ヌレエフが踊って、数えきれないほどのカーテンコールを求められた伝説の舞台としてよく知られている。
 アレッサンドラ・フェリのジュリエットもまた、彼女ならではの至高の愛を願う一途な心のピュアな美しさで、一世を風靡した。ウェイン・イーグリングのロミオは、輝ける青春のオーラを映して踊る。ステーヴン・ジェフリーズのマキューシオ、デヴィッド・ドリューのティボルトなどの、物語バレエを最も得意とするロイヤル・バレエのダンサーたちが熟成された演技を充分に堪能させてくれる。
 アンソニー・ダウエルは1974年の『マノン』初演の際には、オリジナルキャストとしてデ・グリュー役を踊っている。こうした人間性の深奥を窺わせるような役を踊らせたら、ダウエルの右に出るダンサーはまずいなかった。また、マノン役のジェニファー・ペニーも、美貌と細身のプロポーションと雰囲気のある演技力を持つまさに適役のダンサーである。
 そして『パゴダの王子』は、マクミランが振付けた最後の全幕バレエ。マクミランはこの作品の主役に、バレエ学校時代から注目していた逸材ダーシー・バッセルを抜擢した。マクミランの期待に見事に応えたバッセルは、この公演の後にプリンシパル・ダンサーに昇格した。
 三作品ともこうした記念的なヴァージョンが収められているので、英国ロイヤル・バレエ団が最も得意とするドラマティック・バレエの精髄が込められたDVDということができるだろう。 

MACMILLAN BALLET CLASSICS-Romeo & Juliet,Manon,The Prince of the Pagodas
ロミオとジュリエット、マノン、パゴダの王子

発売日 : 2009/02/25
価格 :¥ 7,900(税抜)
ワーナーミュージック・ジャパン

<キャスト>
「ロミオとジュリエット」
ジュリエット:アレッサンドラ・フェリ、ロミオ:ウェイン・イーグリング、マキューシオ:スティーヴン・ジェフェリーズ
「マノン」
マノン:ジェニファー・ペニー、デ・グリュー:アンソニー・ダウエル、レスコーの恋人:モニカ・メイスン
「パゴダの王子」
ローズ姫:ダーシー・バッセル、エピーヌ姫:フィオーナ・チャドウィック、王子:ジョナサン・コープ、皇帝:アンソニー・ダウエル