【第61回】肩とお尻のサイドロッキング - エクササイズ-

バレエ・ピラティスによるバレリーナのカラダ講座

普段クラスを教えている中で生徒のみなさんから寄せられる質問をヒントに、どうやったらうまく身体を使えるのか、どうしたら使い方をイメージできるのか、現役ダンサーの藤野先生ならではの視点で解説します。

ロッキング(Rocking)とは「揺れ」の意味です。
左右の上下関係を作りやすい、サイド向きの動きを出していきましょう。

上から順にロッキング

まっすぐ前を向いて。股関節幅に脚を開いて立ちます。
足元はパラレルでもターンアウトでも構いません。両方とも必要な感覚ですので、両方試して違いを感じてみるのもいいでしょう。

まずは両方の「耳」をそれぞれに意識して。
片方の耳を反対の耳より高いところに持ち上げてみましょう。その次に反対側の耳と「意識を交代して」持ち上げます。繰り返しているうちに気付かれると思いますが、頭が左右に「シーソーのように」ロッキングしているのを感じるでしょう。

頭ロッキング.jpg

次に、持ち上げる耳と同じ側の肩。特に「肩甲骨」を意識して、耳と同時に持ち上げてみましょう。そしてすぐさま反対と交代を繰り返しているうちに、上半身がシーソーのようにロッキングしているのを感じます。腕を動かしてより自然な流れを生み出すように、上げる側の腕を「大きな弧を描くライン」でしっかり上げてみましょう。

上体ロッキング.jpg

お尻もロッキングで脚が浮く

同じ要領で耳、肩、そしてお尻も含めてロッキングします。
お尻も片方をしっかり持ち上げると、その側の脚が自然と床から「浮いて」きますので、軸脚にしっかり乗り上がっては移る、を繰り返してみましょう。左右に緩やかに「足踏みをしているように」動いてみましょう。

お尻ロッキング.jpg

脚の幅を広げてみると、軸になる脚にはさらに大きな「地面を押す力」と「引き上げる力」が発生します。広い2番ポジション「仁王立ち」の脚幅で立って。上がってくる脚もパッセやグランバットマンで、強く高く上げてしまいましょう。

2番からパッセ、バットマン.jpg

Check
>>> 【第61回】より大きく踊るために〜左右の感覚〜

バレエ・ピラティスによるバレリーナのカラダ講座

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[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)

12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。
●藤野富村バレエアート代表
https://www.fujinotomimuraballet.com

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[イラスト]あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。

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