荒部 好

『ピーター・ラビットと仲間たち』英国ロイヤル・バレエ

 09年2月から3月にかけて、K-BALLET COMPANYが日本で初めて上演することが決まっている『ピーター・ラビットと仲間たち』のDVDが輸入販売されている。
このバレエは周知のように、英国の女流児童文学者ビアトリクス・ポターの原作に基づき、1971年にフレデリック・アシュトンの振付により映画化された。そして92年には、当時ロイヤル・バレエ団の芸術監督だったアンソニー・ダウエルによって舞台化された。ここに収められた映像は、2007年にコヴェント・ガーデンで再演された際に収録したもの。

 うさぎのピーター・ラビットを始め、暴れん坊リスのナトキン、いたずらネズミのトム・サムとハンカ・マンカアヒルのジェマイマ、子豚のピグリン・ブランド、かえるのジェレミー・フィッシャーなどが、じつに見事に出来た着ぐるみを着て、鮮やかに華麗に踊る。その踊りのテンポあるいは手や足やお尻の仕草が、完璧に動物の特徴を捉えて表しているところがまったくもって素晴らしい。
確かにアシュトンは、『リーズの結婚』の冒頭で、着ぐるみの鶏たちを登場させて、のんびりとしたあくびも出かねない田園のどこまでものどかな情景を活写している。しかし、この『ピーター・ラビットと仲間たち』では、10種に近い動物たちが現れてステップを踏みピルエットをみせ、軽快なジャンプを跳び、ソロはもちろん、パ・ド・ドゥを踊り、果てリフトまで披露する。それがまた、それぞれが生活の中のドラマのシーンを演じているのである。
アシュトンを始めとする製作スタッフの鋭く深い観察力と、たくまざるユーモアと軽いアイロニーを利かせた表現力には感服する他ない。




英国ロイヤル・バレエ団
『ピーター・ラビットと仲間たち』
振付/フレデリック・アシュトン
音楽/ジョン・ランチベリー
演出/アンソニー・ダウエル
美術/クリスティン・エザルド
着ぐるみ/ロスティスラフ・ドボジンスキー
2007年12月、コヴェント・ガーデン王立劇場で収録

英国ロイヤル・バレエ
『ピーター・ラビットと仲間たち』
76分
オープン価格
クリエイティヴ・コア