(荒部 好)

『パリ・オペラ座エトワールのマスタークラス』

イザベル・シアラヴォラ&アンドレイ・クレム
バー&センター&ポアント・レッスン

パリ・オペラ座のバレエ教師、アンドレイ・クレムの指導により、エトワールのイザベル・シアラヴォラがデモンストレーションするレッスンDVDが刊行された。
シアラヴォラはいうまでもなく、パリ・オペラ座バレエ団を代表するエトワールとして、大いに活躍している。パリ・オペラ座の来日公演で上演された『天井桟敷の人々』で踊ったがガランス役が、まさにぴったりの「絶世の」と付けたくなる美女のエトワールである。
2009年にジョン・クランコ振付『オネーギン』のタチアナ役を踊って、エトワールとなった。しかし、月日の経つのは早いもので2014年2月には、その『オネーギン』を踊ってアデュー公演を行うことが決まっている。

1305dvd.jpg

このDVDは「Sur Les Pointes avec une Etoile Isabell Ciaravola」と原題にあるように、オペラ座随一ともいわれるシアラヴォアのポワント・ワークを中心としたレッスンになっている。
バー・レッスンがウォームアップ、プリエ、バットマン・タンデュからグラン・バットマン、プリエ&ルルヴェ、ストレッチまで、16項目。センターがプティ・アダージョ、バットマン・タンデュからコーダ、ポール・ド・ブラまで20項目をすべてシアラヴォラがデモンストレーションしている。
レッスンを構成し指導しているのはオペラ座バレエ教師のアンドレイ・クレム。彼は、唯一のパリ・オペラ座出身ではないオペラ座のバレエ教師である。ボリショイ・バレエ・アカデミー出身で、モスクワ・クラシック・バレエ団で踊り、ベルリン国立バレエ団で教師となり、ボリショイ・バレエ団やオランダ国立バレエ団、東京バレエ団などでも教えている。クレムは「ダンサーから学ぶ」ことをモットーにしている。いつもダンサーの側に立って励ましながら教えるのである。クラスの教えの雰囲気を大切にして丁寧に教えるので、ダンサーの評判がたいへん良い教師だ。
シアラヴォラのポワントはじつに強靭に鍛えられていて、身体を完璧なバランスで支える。そしてその柔軟な強さが美しい。敏捷な小動物のように闊達で自在に動き、まるでポワント自体に生命が宿っているかのようだ。
シアラヴォラは13歳の時に故郷のコルシカ島を離れ、年齢の関係でコンセルバトワールから、オペラ座バレエ学校に編入している。天から二物も三物も与えられているシアラヴォアだが、特典映像として収録されている彼女のインタビューを見ると、日々、精進努力したことがさり気なく語られていて感心させられる。また、自身はフリードを愛用しているという、トウシューズを巡るさまざまな思い出や工夫の仕方なども語られていて、じつに興味深く感じられた。
レッスン曲はすべてパリ・オペラ座の専属ピアニスト、シルヴァン・デュランが作曲、演奏している。このシルヴァン・デュランによる「バレエ・クラス・ミュージックのCD(Ballet Class Music avec une Etoile)も発売されている。

1305cd.jpg

イザベル・シアラヴォラ&アンドレイ・クレム
『パリ・オペラ座エトワールのマスタークラス』

税込価格5,040円
本編72分、特典映像40分=イザベル・シアラヴォラ、アンドレ・クレム、ブリジット・ルフェーブル(パリ・オペラ座バレエ芸術監督)インタビュー

CD『バレエ・クラス・ミュージック アヴェク・ユヌ・エトワール』
定価5,400円
作曲・演奏:シルヴァン・デュラン(パリ・オペラ座専属ピアニスト)
プロデュース:アンドレイ・クレム(パリ・オペラ座バレエ教師)
全52曲