(荒部 好)

『ピーターと狼』英国ロイヤル・バレエ学校

PROKOFIEF『PETER AND THE WOLF』
プロコフィエフ『ピーターと狼』
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『ピーターと狼』は、セルゲイ・プロコフィエフがアメリカやパリなど20年近い海外生活から旧ソ連に帰国した1936年に、ナレーター付きの「子供のための交響的物語」として児童劇場のために作曲したもの。ピーター(ストリングス)、小鳥(フルート)、アヒル(オーボエ)、猫(クラリネット)、お祖父さん(ファゴット)、狼(ホルン)、猟師(ティンパニーやドラム)といった登場人物たちそれぞれに、オーケストラの楽器が割り当てられて物語が繰り広げられる。
お話は、ピーター少年が小鳥と協力して狼に襲われたアヒルを助けるというもの。ナレーター役も務めるお祖父さんのアドヴァイスも受けて少年が成長してく姿を描いている。

振付けたのは、かつて英国ロイヤル・バレエ団で活躍し、アダム・クーパーとウィル・ケンプ、ゼナイダ・ヤノウスキーが共演した『兵士の物語』(2009年来日公演)で悪魔役で出演したマシュー・ハート。そのウィル・ケンプがお祖父さんとナレーター役で出演し、狼は英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、セルゲイ・ポルーニンが踊っている。そのほかのキャストは、英国ロイヤル・バレエ・スクールの生徒たちだが、猫を踊ったのは日本人のカツラ・チサトだ。また、1993年に放映されたテレビ版では、アンソニー・ダウエルがナレーター役を務めた。

舞台上に大きな木の切り株をセットして、その周辺を主人公のピーター少年と狼、可愛らしい動物たちが様々な動きを踊ってみせる。森や草地や池は、コール・ド・バレエで表しているが、大詰めのピーターが狼を投げ縄で捕らえるスペクタクル・シーンでは、全員が一体となって色彩豊かな魅力的な舞台を創っている。
着ぐるみバレエを得意とする英国ロイヤル・バレエ団の学校らしい、とても楽しい演し物である。

『ピーターと狼』全1幕
振付/マシュー・ハート、音楽/セルゲイ・プロコフィエフ
狼/セルゲイ・ポルーニン、お祖父さん/ウィル・ケンプ、ピーター/キリアン・スミス、アヒル/シャルロッテ・エドモンズ、小鳥/ローリーン・ムッチオーリ、猫/チサト・カツラ
2010年12月コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスで収録。プログラム40分。(日本語字幕はついていません)
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