荒部 好
『バレエの基本レッスン』
著者のジョーン・ローソンは、ロンドンに生れ。マーガレット・モリス、アスタフ ェイワに学び、ネムチノワ-- ドーリン・カンパニーで踊った。30年代の後半にはモスクワ とレニングラードのバレエ団でソリストとして踊ったキャリアがある。
また、バレエ教師としては、アリシア・マルコワやマーゴ・フォンテインを育て、40年代に はロンドンのダンス雑誌「ダンシング・タイムズ」で批評などに健筆をふるった。その後 、ロイヤル・バレエ・スクールの指導者コースでも教えた。「ヤングダンサー指導のための 」という、本書のと同じサブタイトルが付されて邦訳されている『バレエのサイエンス』ほ かの著書がある。
ローソンはロシア時代にもクラシック・バレエのメソッドを大いに吸収したと思われる 。そのため序文では、ワガノワやセルゲイエフ、ドゥジンスカヤ、ゴロフキナ、アサフ・メ ッセレルなどのロシアの舞踊家たちに謝辞を呈している。 さて、このバレエ指導書の特徴は、成長期のヤングダンサーたちに起りがちなさまざまの 問題に取り組んでいることである。
訳者は、次の3点について詳しく述べられていることが特徴だ、という。
1)生まれつきの身体から、どのようにしてバレエ的身体をそだてるか。 2)生徒たちがそれぞれの動きを、自分の身体感として「感じ」とるか。 3)個人差・成長差のあるさまざまの生徒とどう向き合うか。思春期の男女差をどう捉え指導するか。
また、著者自身は、成長期の男女には次のような間違いが起りがちだ、と述べている。
1)間違ったスタンス。 2)骨盤の正しい「前傾」に対する理解の不足。 3)間違ったライズでのドゥミ・ポワント。 4)間違った体重移動。 5)バーに置く手の位置の悪さ。 6)性差に対する認識不足。 7)その他の問題。
こうやってあげられた項目を見るだけでも、著者がバレエには基礎教育をたいへん重要であると思っていることがよくわかる。
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「ヤングダンサー指導のための バレエの基本レッスン」
著者: ジョーン・ローソン
訳 : 森はるみ
発行: 大修館書店
価格: 本体1,900円(税抜)