荒部 好

『ニューヨーク ジョフリー・バレエスクール 大人からのバレエ』

ディナ・シーン・モス、アリソン・カイル・レオポルド/著
中村三千恵/訳
 昨年の夏にロードショー公開された映画『バレエ・カンパニー』は、ジョフリー・バレエのバックステージを中心に繰り広げられるダンサーたちの姿を描いていた。 この映画は主としてシカゴのジョフリー・バレエの稽古場でロケしていたが、ここでご紹介するのは、ニューヨークのジョフリー・バレエスクールの教師とその生徒が綴った本である。
 教師はニューヨークのジョフリー・バレエスクールの大人ビギナークラスの講師、ディナ・シーン・モス。 生徒は大人ビギナークラスでバレエレッスンを受けている雑誌編集者でライターのアリソン・カイル・レオポルドである。

 最近はバレエのエクササイズが、身体と心の両方に効果のあるトータル・フィットネスとして注目を集め、大人になってからバレエを始める人がニューヨークでも東京でも増えている。 バレエの個人教室からカルチャースクール、スポーツクラブ、バレエ団付属まで、ほとんどが大人のためのバレエクラスを開き多くの生徒を集めている。
 しかし、いくら流行しているといっても、まったく経験のない大人がバレエを習い始めるためには、尻込みさせる様々な問題点が横たわっている。
 たとえばどの程度の時間、どのようなクラスに通えばいいのか、教室選びから練習着やそのほかのファッション、シューズはどうすればいいのかなどなど問題山積である。

 この本では、そういった多岐にわたる疑問や問題点を、ニューヨークのバレエ教師と実際に習っている生徒の対話やアンケート、インタビューなどを駆使して明かにしようとしている。 アメリカらしく、大人のバレエビギナーのため、とターゲットをしぼり、たいへん実証的実用的な知識やヒントを満載した一冊である。

 バレエのファッション、レッスン前の準備、バー&センターのレッスン、バレエフィット・ワークアウト、大人のポワント、バレエの悩み相談などの項目を立て、バレエ教師とその生徒がリードしつつ解説している。
 ニューヨークのバレエ事情と日本では違う、と思われるところは、それぞれにコラムを設けて補足解説を付している。バレエに対するニューヨ-カーの感覚を理解すると、東京の人に参考になることは非常に多いと思われる。


『NYジョフリー・バレエスクール 大人からのバレエ』
ディナ・シーン・モス、アリソン・カイル・レオポルド/著
中村三千恵/訳
健康ジャーナル社
¥1,680 (本体価格¥1,600)