荒部 好
『ダンスのメンタルトレーニング』
ダンサーのためのメンタルトレーニングの本が出版された。舞台に立つダンサーが、いわゆる「あがる」ことから解放されるためには、どうしたらいいのか。どういうトレーニングをすれば、緊張感をコントロールして舞台上で集中力をたかめることができるのか。 『ダンスのメンタルトレーニング』という本は、このダンサーにとってきわめて重要な課題を、心理的アプローチによって解決してみせよう、という一冊である。 まず、「パフォーミング・アチチュード」の変換、つまりダンスに打ち込む姿勢を積極的に変えよう、という命題から説き起こして、モチベーション(動機)、セルフコンフィデンス(自信)、インテンシティ(緊張)、コンセントレーション(集中)、ダンス・イメージ(ダンスの心象)、スランプ・ストレス・バーンアウト(不振・重圧・燃え尽きる)という項目をあげ、パフォーマンスに影響を与える心理的な問題を具体的に示しながら、その解決方法を説明している。 さらに、ダンス傷害のリハビリテーションの心理学では、そのプログラムを示し、最終章では、「パフォーマンスを向上させるための心理プログラム」の計画から実施、継続までを解説している。 著名な舞踊家などの箴言や具体的な例をあげながら論じている点はいいのだが、翻訳書なので、多少の読みにくさはある。 著者のJ.タイラーは心理学博士で元ダンサー、ハートフォート・バレエなどで指導している。C.タイラーは彼の母でダンサー。ダンスとカウンセリングの修士号をもち、心理学的見地からのカウンセラーとしてキャリアを積む。
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「ダンスのメンタルトレーニング」
著者: J.タイラー、C.タイラー
訳 : 里見悦郎、ほか
発行: 大修館書店
価格: 本体1,900円(税抜)