荒部 好

『白の舞を架橋に』

佐藤俊子著
 今年はオリガ・サファイアの生誕100年にあたる。オリガはペテルブルクに生れ、ヴォルインスキーのバレエ学校、レニンングラード・バレエ・アカデミー(ワガノワ・バレエ学校)に学び、ロシアで踊っていたが、日本人外交官と結ばれて来日した。日劇などでロシア・バレエを上演し、本格的にクラシック・バレエを教えた。そしてオリガの下から、後の日本のバレエを支えた松山樹子などの多くの優れた生徒が巣立ったのである。
 また、オリガは『バレエ読本』『わたしのバレエ遍歴』『バレエを志す若い人たちへ』などの著書を著わし、戦後に巻き起こった実体があまり判然としなかったバレエ・ブームに、ひとつの指標を与えた。特に『バレエ読本』は多くの人に感銘を与えたが、佐藤俊子もまたこの一冊を読んだことが、オリガとの出会いに繋がってたのである。

『白の舞を架橋に』の著者、佐藤俊子はオリガの最後の最愛の生徒として、教えを受けた。彼女には、2004年7月に、チャコット渋谷本店で「オリガ・サファイア展」を行った際に、種々ご協力をいただいた。
『白の舞を架橋に』では、佐藤俊子がオリガとの出会いとその教え、そしてオリガから学んだことを礎にして踊った舞台のこと、さらにアメリカ、ロンドン、ロシアなどを訪れた時のこと、最終講義ほかの時折のレクチャー、といった今日までの舞踊活動を集成したものである。レクチャーの中には、チャコットの「オリガ・サファイア展」で行ったものも収録されている。

 そして、3月3日(土)と4日(日)に、赤坂区民ホール(03-5413-2711)で行われる世界舞踊祭では、佐藤俊子の指導によるオリガ・サファイアのバレエ作品集が上演される。ご興味のある方は、ぜひご覧いただきたい。



『白の舞を架橋に』
佐藤俊子著
佐藤俊子バレエ研究会刊
1,995円 (本体価格1,900円)