荒部 好

『クラシックバレエテクニック』

グレッチェン・ワード・ワーレン著
スーザン・コック写真
谷桃子 監訳/里見悦郎 訳
 クラシック・バレエのテクニックを、ダンサーの実写写真を使って詳しく解説した書である。B5判ハードカバーで396ページの大著で、2600枚以上のダンサー写真が収められている。
 Part1では入念に基礎を解説している。正しいスタンス、正しいバーの持ち方、足のポジション、体重の配分の仕方、骨盤を傾ける限界の角度、表情、頭の位置などを写真入りで説明し、誤った場合の写真も対比しているので、より理解しやすい解説になっている。
 特に、種々論議されるターンアウトについては、<身体構造と生まれながらのターンアウトの能力>という項目を立てて解説している。
 ロシア、フランス、英国といった流派のメソッドにも配慮をほどこした内容であるし、クラシックからコンテンポラリーまで様々な振付家の作品を踊らなければならない今日のダンサーの状況にも対応する解説を行っている。
 著者のグレッチャン・ワード・ワーレンは、ロイヤル・バレエ・スクールからワシントンのナショナル・バレエ・スクールで学び、ペンシルベニア・バレエのソリスト、アメリカン・バレエ・シアター2のバレエ・マスターを務めた。
 ダンサーの写真モデルには、シンシア・ハーヴィー、ロバート・ヒル、スーザン・ジャフィー、シリル・イエーガーなどもいる。
 序文でロバート・ジョフリーは、「バレエ芸術を理解するには、ダンサーはバレエのしもべとなり、バレエに尽くし続けなければいけない。最高のダンサーは、キャリアを通してバレエを極めようと努力し続ける者であり、常に新しい領域に挑戦しようとする者である」と語っているが、この分厚い一冊を手に取ると、バレエ奥の深さがずっしりと感じられる。


   

『クラシックバレエテクニック』
Classical Ballet Technique
グレッチェン・ワード・ワーレン著
スーザン・コック写真
谷桃子 監訳/里見悦郎 訳
大修館書店/刊
5,880円 (本体価格5,600円)