(荒部 好)

『MIME IN BALLET(マイム・イン・バレエ)』

by BERLY MORINA(ベリル・モリノ著)
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マティルダ・クシェシンスカヤは、19世紀末から20世紀初頭にかけて帝室マリインスキー劇場て活躍し、プリマ・バレリーナ・アッソルータという最も栄誉ある称号を授与された。クシェシンスカヤはまた、マイムの名手としてもつとに有名だった。彼女はロシア革命の戦火をくぐり抜けてパリに亡命。スタジオを開設して多くの生徒に教えた。その中には若き日のマーゴ・フォンテーンもいた。

今回ご紹介する『マイム・イン・バレエ』(すべて英文)の著者、ベリル・モリノはマチルダ・クシェシンスカヤに直接教えを受け、大いに期待されたダンサーだった。
現在、クシェシンスカヤに直接指導を受けたダンサーはほとんど見当たらないが、ベリル・モリノはたいへん若い頃から頭角を現したので現在も健在。わずか14歳でリディア・クイスト・ロシア・バレエのプリンシパルになった、という。フランス、イギリスで活躍した後、振付や教師として信頼される存在となり、今年もパリでクシェシンスカヤのクラスを再現するイベントに参加している。

『マイム・イン・バレエ』では、ロイヤル・バレエやイングリッシュ・ナショナル・バレエのダンサーをモデルとした328枚もの写真を使って、マイムの動きをヴィジュアルに説明していて、それほど複雑な英文はないので分かり易いと思われる。
マイムの際の身体の向き、表情や体重移動の仕方と腕、脚の動きを写真で見せる。それと同時に、音楽の拍子に合わせてどう動くかを説明している点が特に重要である。マイムを本格的に紹介する数少ない本である。
ロシア・バレエで時間をかけて培われたマイムをしっかりと学ぶためには、貴重な一冊といえるだろう。
アンソニー・ダウエル、アントワネット・シブレー、ピーター・ライトといった英国バレエ界の錚々たる舞踊家が、この本に讃辞を呈している。

インターネットの下記アドレスで購入することができる。
価格は1冊、送料込みで £35.91(アジア地域)となっている。
http://www.thecorridoroflife.com/history.html