(荒部 好)

オペラ座ダンサーの案内する『オーガニックなパリ』

レキップ・ド・パリ
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「パリ・オペラ座の若手人気ダンサーが教えてくれる、心身ともに美しく保つパリ流オーガニックライフ」と謳われた本が刊行された。
案内してくれるダンサー、マチュー・ガニオ、ドロテ・ジルベール、ミラム・ウルド=ブラムの3人。確かに、世界最高のバレエの舞台のひとつといわれるパリ・オペラ座のダンサーは、心身を美しく保つために細心の注意を払っているだろうし、先輩や教師などの長い伝統に培われたケアの特別の知恵を持っているに違いない。しかもパリでは、生活にオーガニック(フランス語ではビオロジック略してビオといわれるそうだ)な知識を取り入れることが流行しているという。これほど適切なアドヴァイザーは他にはいない。しかも彼らは見ているだけでも美しい・・・。

まず、どこから見ても貴公子そのもののマチュー・ガニオが案内してくれるのは、「オーガニックなパリ散歩」と「おいしいオーガニック巡り」。散歩が大好きで自転車や車はあまり使わないというマチューの後にくっついて、サンジェルマン・デ・プレを散策すると、「ブレッド&ロージーズ」とか「フィト・バー」といったカフェやレストラン、スーパーやワインショップに連れって行ってくれる!
あのパリ独特の甘ーいコクのある艶やかな色彩に彩られたキッシュやタルト、ケーキ、ジャム、チーズ・・・ああ!
オペラ界隈にも着いて行くと、「シュペールナチュール」「レ・ラシーヌ」「ラ・フェルム・オペラ」「ビアボア」といった名前が既に美味そうなカフェやレストランに案内され、歯ごたえの小気味良さそうなサラダ、フランスパン、キャロットケーキなどなどがいっぱい。お菓子の国に迷い込んだアリスだか、クララだか分からないような気分になる。
さらに、ドロテ・ジルベールが「ナチュラルに美しく」。充分美しいとは思うのだけど、ハーブを使ったボディケア、シンプルエクササイズ、「ナチュラルコスメ&サロンガイド」を細かく教えてくれる。
そしてミリアム・ウルド=ブラムは「食事できれいに」なろうということで、オーガニックのデザート&ジュースレシピ、パリのオーガニックショップガイドを引き受けてくれている。彼女のダンサーとしての洗練された生き方にもぜひ耳を傾けてもらいたい、と思った。ああ、「もっとグルメを!」

朝日新聞出版 刊
定価 本体1700円+税