【第43回】裏もも&腹筋 Step Up - エクササイズ-
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- バレエ・ピラティスによるカラダ講座
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今回のエクササイズの目的は、同じ動きなのに違う部位に意識を向ける。
例えば、階段を一段上がるときに、手すりをしっかり持って上がるなら、腕や脚に入る力が満載。絶対に何にも手を触れないで一段登ると覚悟をすれば、お腹に入る力やコントロールの意識満載。それぞれの部位を別々に、どんな働きがあるかを識別できれば良いと思います。
Step Up
片方の脚で、椅子ぐらいの高さの台に立ち上がる。そしてちゃんと降りるエクササイズです。まずは椅子の安定感や、安全性を確認しましょう。高い背もたれがある椅子がオススメです。
椅子の背もたれを両手でしっかりと掴み、片方の足を台に乗せた状態でスタート。掴んだ手を緩めずに、ゆっくり台の上へと立ち上がります。
背中は大きく屈曲、または真っ直ぐで行います。お腹の力が抜けて、腰に負担が大きく掛からないようにしましょう。慣れてきたら、勢いを付けずに、下の足をちゃんとドゥミポイントを通して、ゆっくり立ち上がりましょう。
次に頭に両手を乗せて、体勢を起こして同じく立ち上がってみましょう。登りと降りのスピードを均一に目指して。
バーなどを掴んで背中をストレッチする際も同じ原理なのですが、手でしっかり掴んで「体の安定を感じる」ことで、脚にしっかりと力を入れることが分かりやすくなります。逆に、手で何にも触れない、と覚悟すると「体がバランスを取ろうとする」ので、腹筋部のお仕事をより感じやすくなります。
手でバーなどをしっかり持つことで生まれる脚への意識。持たないことで育つ体幹部の意識。それぞれに感覚と力が入ってきたら、ふたつの意識を同時に混同させてみましょう。
バレエ・ピラティスによるバレリーナのカラダ講座
[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)
12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。
[イラスト]あゆお
仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。