【第42回】趾を呼び覚ませ! - エクササイズ-

さあ趾を鍛えましょう!

世の中の大半の人が「趾が自由に動かない」と感じている現代社会です。誰しもが赤ちゃんの時は、きれいに広がってまっすぐな趾をしていたのに、大人になっていく上で変形したり不自由になっていったりします。

要は「趾が本来の動き、形を忘れている」ということなのです。ピクリとも動かないほど意識が低い人や、変形がきつい人ほど、立ち向かう試練は険しいものとなりますが、忍耐強く、向かい合えば、必ず変わります!これから人生の最後まで掛けても「よみがえる趾」を手に入れましょう。

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趾にできることを知る

以前にも紹介しましたが、趾の動きで最初にクリアしてほしいのは「全開パー」にできること。その他の動きを分かりやすいように「縮むと伸ばす」に分類してみました。

(縮む)=グーでつかむ。趾を揃える。爪を引くように持ち上げる
(伸びる)=パーに広げる。趾の根元から下げる。趾の骨を持ち上げるように反らす。

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簡単にいうと「足の爪だけ動かす感じ=縮む」となり「趾の骨で動きや力を出す=伸びる」ということになりますが、その違いを感じて「両方使う」というのが一番難しいことではありますが。趾の骨を動かす感覚は「ゆびの裏、根元から動かす」という攻め方が一番近いです。

趾エクササイズ

さていよいよエクササイズです。

やり方は至ってシンプル。趾を「パーに広げたまま、うちわを扇ぐように上下させる」です。
この運動は「できるかできないか?」よりも「どんな感覚がするか?」を見極めるほうが重要になります。
よくよく考えると「趾を動かす力」なんて、とても微細なものです。パッパッとかペコペコとか適当に動かさずに、趾の上げ下げ一往復に10秒掛けるくらいの集中力で、スローな動きをしてみましょう。

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イラストを見ると、趾のコントロールと強さを備えるために、「趾の骨のすき間の筋肉」を動かすことが大事なのが分かると思います。この筋肉は、動かさない日々の中で、動きをどんどん忘れていく筋肉。なので、日々の暮らしの中で「使っている感覚」が入るように心がけましょう!

足首ローリング

趾を広げて、足全体が「伸びる感じで張る」ようになってきたら、今度は足が張った状態を維持したまま、足首を強く動かします。内腿や腹筋にもよい効果を得るため、写真のように「踵を強く合わせた状態」で試してみましょう。

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本編で紹介したように、足まわりで大切なのは「それぞれの部位を感じられる」ということ。
この足首ローリングも「足の甲主体」と「足首主体」で動かすことで、力の入り具合や可動域も変わってくることを感じてみましょう。

足の甲足首の違い1.jpg

足の甲足首の違い2.jpg

 

Check
>>> 【第42回】ポワント講座〜足首エキスパート編〜

バレエ・ピラティスによるバレリーナのカラダ講座

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[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)

12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。

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[イラスト]あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。

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