【第41回】Side Positionで肩関節&股関節 - エクササイズ-

横向きのポジションで腕の動きは鎖骨、肩甲骨から。脚の動きは骨盤から。腕や脚が最も長くなるラインと、根っこ部分の動きを向上しましょう。

「サイドポジション」

横向きのポジションで、注意すべきところを紹介します。
今回のターゲットは芯からの動き。肋骨と骨盤がしっかりしている状態でエクササイズを行うことが必須です。
両脚を一度揃えて、膝を90度ぐらいに曲げ、かかとも揃えて座骨の向こうに位置します。両脚を内もも同士しっかり揃える力を入れて、骨盤が「横向きに垂直」に立つように。
腕は写真のように構え、手で床を押して、胸骨と顔に「張りを保って」まっすぐ前に向けましょう。

しっかりとしたサイドポジション.jpg

「アームスシリーズ」

以前に紹介した「Book Opening」がありますが、今回は体幹のツイストを加えずに、腕の動きの「起点」を意識します。
本編でお伝えしたように、体に対して水平ラインに腕を動かす時は前側の胸筋。上下の垂直ラインに対しては肩甲骨が、得意分野になります。

腕を「前にならえ」の位置からアラセゴンを越える位まで運び、呼吸に会わせて前→横を繰り返します。
胸骨と鎖骨を結ぶ関節、喉元のボッコリ骨に「意識のスポットライト」を当てて、そこを起点に腕を動かしましょう。ポイントは「全ての指をまっすぐに伸ばす」こと。指がフニャリと曲がっていると、鎖骨が変な方向に曲がってしまいます。

鎖骨からアラセゴン.jpg

次にアンバーとアンオーの往復です。こちらは上昇下降の動きなので、肩甲骨を意識。肩甲骨の頂点ラインを意識して、首の付け根から動き始め、肩甲骨がしっかり上がったり下がったりしているのを感じるほどに、最大の「弧のライン」を描きます。

肩甲骨アンオー.jpg

「レッグシリーズ」

サイドポジションで脚を動かすことは、適当に行ってしまうととっても楽チンで、あまり効果のない運動になってしまうので、しっかりすべき支点を骨盤内で意識します。
土台となる脚の内腿と恥骨裏腿と仙骨を結ぶ線を「しっかりと張る」。そして動き脚をブンブン動かして軸がブレないように、落ち着いて行ってみましょう。

恥骨と仙骨の結び.jpg

動き脚を床と水平に浮かせてアンデオール。まずは脚を前後にスイングしてみましょう。恥骨と仙骨を意識して。脚が向かう方向とは逆に「恥骨、仙骨が引ける、逃げる」ようであれば「腹筋が抜けて」腿の力主体で脚を動かしています。
腸骨自体が滑らかに「脚と同じ方向へ」スイングする。「腸骨が脚を送り出す」とイメージしてみましょう。

前後スイングアラセゴンも.jpg

そしてアラセゴンも。
横に「脚が上がらない」という人の特徴的な力の入れ方で「骨盤が安定せず、腹が逃げる」というパターンをご紹介します。
骨盤を「パンツ」として持ち方をどうするか?のイメージです。
横に脚を上げ始めた途端に、腿と尻の筋肉が唸る。パンツの横頂点を片手でグイーと引っ張り上げています。
今回の恥骨と仙骨など、前後二点をしっかりすることを考えると、骨盤パンツは内から「四隅で広げている」。骨盤がしっかりしたところで内からニョキっと、腹の力で上がってくる脚を感じてみましょう。

パンツの広げ方とその結果.jpg

Check
>>> 【第41回】骨コントローラーへの道・ファイナル 〜骨の流れのように〜

バレエ・ピラティスによるカラダ講座

fujino.jpg

[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)

12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。

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[イラスト]あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。

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