【第37回】 Lower Lift&Jack Knife - エクササイズ-
- お役立ち
- バレエ・ピラティスによるカラダ講座
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どちらもダイナミックで、腹筋に負荷の大きいエクササイズです。慣れないうちは動きの大きさを控えて、動きの性質、方向性を感じながら、ゆっくり試してみてください。
「ローワーリフト」
仰向けになり、両脚を伸ばして揃え、まっすぐに天井に向けます。息を吸いながら両脚を床の方に下げていき、吐きながら元の位置へ上げて戻します。
重たい脚を「持ち上げていよう」とすると、腹筋は引っ張って固まることで精一杯。股関節が示す方向性も「腿を引き寄せて固まる」。いつかは余裕で脚が軽く感じられる日は・・・やって来ないでしょう。
股関節が「回転」すべき方向をしっかり意識して。
重い魚を竿で引っ張り上げるではなく、長い竿で糸をゆっくりと、更に海深くへ下げていくように。
今回の「影」も意識しましょう。短い影は「詰まる思い」。長い影を更に長く伸ばしていく様をイメージしましょう。
「ジャックナイフ」
Roll Overのポジションから股関節を「伸展(Extend)」させて、脚を天井に向けて押し上げる。なかなか高等なエクササイズです。首を中心に、脊柱に怪我や問題のある人。妊娠中。緑内障。ご飯を食べたばかりの人などは、行わないでください。
仰向けになって両脚を揃えて伸ばし、息を吐きながら両脚を頭の向こうの壁まで巻き上げるように。腰椎から骨盤を天井に押し上げるように、ロールオーバーのポジションを取ります。
そこから息を吸いながら、お尻を更に押し上げて、両脚を天井に向けて、股関節を伸展させていきます。
息を吐きながら脚を下げていき、ロールオーバーのポジションからゆっくりと、仰向けに降ろします。
地面を押して立つのに重要な「腰と裏もも」の関係。
天井に脚を上げていく際に「お尻を中心に」考えると、腰と裏ももがギュッと縮まる=短くなります。
股関節前側の前ポケットと前ももを「押し上げながら開いていく」
また「影のイメージ」は、天井に伸び上がる、腰から裏ももの影。地面を押す背中の影が、床の上で広がっていく。などを試してみましょう。
>>> 【第37回】エネルギーは想像力で計る・前編〜光と影の関係〜
バレエ・ピラティスによるカラダ講座
[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)
12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。
[イラスト]あゆお
仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。