【第38回】首体操&Hinge Back - エクササイズ-

脊柱を「首、胸、腰」の3つのパーツに分けて考えたときの、それぞれの「頂点と付け根」を意識して、ストレッチ&エクササイズします。

首体操

首を丸ごとたくさん動かそうとすると、必要以上の力が入って緊張を生み出してしまうので、「頂点と付け根」を分けて。一点の動きに強い意識を向けて行いましょう。

頂点:頭を前後に動かすのは、強い弱い、得手不得手が個人差で大きく、またどちらが弱いのか本人が分かりにくいので「横軸の回転」によって、一般的に動きを良くします。

背すじを起こし、首を立てていると思える姿勢で。真正面を見つめるより、軽く見上げている目線をキープします。首と頭蓋骨の接点を、背部で「円」として想像し、頭を右へ左へと「回転させるように」傾けます。
肩の横線を張って、一緒に傾いてしまわないように。腰に手を当てておくのがよいでしょう。円そのものを引き上げて。コロコロ頭を振らずに、片側で止めて、深呼吸しながら「まだジワジワと回していく」ように。

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付け根:首、胸、腰と共通で、付け根となる部位は、体幹のパーツが向かう方向とは逆に「カウンターを取って引いてしまう」傾向があります。首の付け根は特に、頭と骨盤の動きに対してグッと固まり易いので、「付け根そのものが」前後にじっくり移動する感覚を意識します。

壁に面して立ち、脚を踏みしめ、両腕を張って壁を押します。頭を腕のラインに並べる、または腕より下がるほど前傾させて、首の付け根を意識。ボッコリ骨を「前へ、下へ」と送り込みます。背中は丸くなって構わないのですが、肩が力で異常に上がってしまわないように注意しましょう。
次に反る方向へ。頭に両手を重ね、肘を横へ張って。背中を反って、天井をまっすぐ見上げるくらい顔を上に向けます。ボッコリ骨に意識を向けて、ゆっくりと更に「後ろへ、上へ」と送り込みます。これも肩が寄るように上がってこないか注意します。少し見上げるだけで付け根がギュッと締まる人もいます。初めはほぼ正面向きで試してみましょう。
前後どちらも、長い落ち着いた呼吸でストレッチしましょう。

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ヒンジバック

背すじを程良く「まっすぐに」保ったまま、後方へ体を傾けます。首のみならず、胸椎や腰椎の頂点と付け根にも意識を向けてみましょう。

体は「左右前後均等に(ニュートラル)」を感じることが、実は一番難しいので、傾きや伸びを感じやすい「ひねり」の状態から試してみましょう。
イスやブロックなどに座り、両手を重ねて頭に乗せます。背すじをまっすぐに立てた状態で、まずは体幹部をツイスト、ねじります。上体をねじったまま後方へ傾けて、後方にある腕を全開パーで伸ばします。長く息を吐きながら、腕をジワーっと遠くへ伸ばしましょう。

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最初に首の付け根に意識を向けて。しっかりと後方へ向かわせ、そして引き上げます。対照に肩の端を意識して、腕と共に「付け根から横線で」遠ざけます。首は上。肩は横という感じです。首の頂上はグッと引かないように。顔と上の奥歯が引けていないかチェックです。上の奥歯が2本ともに、向いている方の景色を眺めていると想像しましょう。

胸椎と腰椎の頂上と付け根も、首と同様に関係性ができているか「意識して」みましょう

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>>> 【第38回】美しい首からのメッセージ

バレエ・ピラティスによるカラダ講座

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[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)

12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。

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[イラスト]あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。

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