【第35回】 様々な FootWork 〜足裏の意識と強化〜 - エクササイズ-

ルルヴェアップ、ダウンのエクササイズを通じて、「足裏を使っている」という意識や、体の土台として「全身を支えながらも動ける」という強さのコントロールを得ます。

「足の表か裏かを認識する」

足に力を入れてつま先を伸ばす、ハイルルヴェに立ち上がるなど、力を入れるのは当然ですが「足のどこにどのような力と動き」が入っているか?を、ちゃんと認識する必要があります。まずは足の甲、表と、足の裏を使っての違いを知りましょう。
シンプルにアテール→デュミポイントを繰り返し、足の表裏での感覚と方向性の違いを比べてみましょう。

ヒールライズでのアキレスと足裏ヒールライズでのアキレスと足裏足の甲を意識して使うと、趾を閉じる「グーに掴む」方向性が強く、床に「引っかけて立つ」感じ。それに対して、足裏を使えば、趾は伸び広がる「パーで押す」ように、床を「押して立ち上がる」傾向にあります。

表と裏の違いを感じ取れるようになったら、どちらが「正しい、間違い」を決めてしまい「正しい方ばかり練習する」に囚われずに、それぞれに「どんな影響を及ぼすか?」を探してみましょう。そして「どちらもできるように」を目指してみて下さい。

足の甲パワーでハイルルヴェに立つと、太ももはギュンギュン吊り上がる感じがするはず。特に前ももと内ももは「緊張する」以外に何もできないのでは?逆に、足の裏パワーを使えば、太ももは前後も内外も「もっと強く押し出せる」感覚を持てるはずです。

足の甲の緊張or足裏の伸び「ルルヴェアップのヴァリエーション」

足の様々な部位の使い分けが感じられるようになったら、今度は「異なるポジション」での太ももに対する影響を、コントロールできるようにしましょう。

・2番プリエでルルヴェ
深く2番グランプリエの状態で、ルルヴェアップダウンします。足の甲側と裏側の使い分けによって、太ももがガチッと固まるような感じと、押し伸ばしが際限なく続く感じの違いを比べてみましょう。また、膝や股関節の「柔軟性」を感じてみてください。

2番プリエでルルヴェ・お馬さんパッカパッカ
脚を前後に開き、交互にルルヴェアップダウン。膝の曲げ伸ばしも上手に加えてみましょう。これも両足とも、アップダウンどちらになっていても、どちらとも「甲側か?裏側か?」を同時に意識して行ってみましょう。スピードを出すより、スローでじっくり感じてみて。甲側だとバランスがグラグラ、裏側だと・・・など。内ももや腹筋の安定感も比べてみましょう。

お馬さんパッカパッカ

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バレエ・ピラティスによるカラダ講座

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[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)

12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。

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[イラスト]あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。

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