【第31回】アンデオール筋の強化&ストレッチ - エクササイズ-

上手にアンデオール(股関節の外旋)するための筋肉を鍛えます・・・と言いたいところですが、アンデオールは「如何に股関節を回すか」よりも「脚の動きに振り回されない体幹」に意識を向けることで、自然で強いものに育っていきます。今回のエクササイズも、動き脚のお尻周りの筋肉よりも、背骨と骨盤、土台の脚の状態に注目してみましょう。

「アンデオール筋トレ」

四つん這いの姿勢を取り、片方の膝を浮かせ、パッセ方向に開きます。大体45〜60度くらいが適正でしょう。開いたり〜閉じたり〜を繰り返すのも良いですが、開いた状態で静止して、深呼吸を繰り返すことをお勧めします。

「アンデオール筋トレ」このエクササイズでは、股関節をどのように回すか?よりも、頭と仙骨を結ぶ「背骨ライン」をしっかり維持することに意識を向けましょう。
後頭部と仙骨を同じ天秤に掛けたとしたら、同じくらいの重さに釣り合っている、と感じてみましょう。この時、背骨は全体に均等に力が入り、真っ直ぐになろうという力が入り続けます。これがニュートラル
対して、頭が極端に垂れると、背骨の波は腰から肩へと流れ落ちる。また、片脚立ちに力を入れて、頭が強く反り上がると、強い波が腰へと向かいます。どちらも「体幹を失った状態」となり、脚の動きに対して容易にバランスが崩れてしまいます。
脚の動きに全く影響を受けない「真っ直ぐ背骨ライン」で、お腹と股関節のやりとりを感じてみましょう。

良い例悪い例悪い例

「アンデオールストレッチ」

アンデオールにとって重要な、股関節まわりの動き。内側「内転筋群、ハムストリングス」をストレッチしながら、外側の「中殿筋と腹筋」を張り続ける耐久力を付けます。
四つん這いから写真の姿勢のように、片足を手のそばに置き、反対の足を斜め後方に伸ばしましょう。曲がった脚に育てないように、膝のお皿とつま先の向きを揃えましょう。

「アンデオールストレッチ」

注意点はやはり「体幹をしっかり保つこと」。体(ボディ)が在りたい姿勢を意思表示しなくては、四肢は正しく応えてくれません。先述した「釣り合った後頭部と仙骨」を初めに作っておきましょう。
大転子を互いに遠ざかる方に張って、股関節が沈まないように。踵の重さが外(小趾側)に倒れるように掛からないように注意しましょう。脚全体の内外面に入る力のバランスが崩れるので、踵の内側(母趾側)に力を込めて。
下腹部は地面から「距離を保つ」ように。
この姿勢でじっと。長く太い深呼吸を繰り返してみましょう。

背骨、足のラインの注意

Check
>>> 【第31回】アルデンテお尻・実用編<脚を上げるために>

バレエ・ピラティスによるカラダ講座

fujino.jpg

[文 & 写真]藤野 暢央(ふじの のぶお)

12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。

ayuo300.jpg

[イラスト]あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。

ページの先頭へ戻る