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写真・文/アンジェラ加瀬 
[2013.03.19]

新作が多く意欲的な、英国ロイヤル・バレエの新シーズンのプログラムが発表された

3月13日、ロイヤル・バレエとオペラの新シーズン演目発表の記者会見が行われた。
ロイヤル・バレエの本拠地であるロイヤル・オペラ・ハウスには、メイン・ステージの大劇場の他、中劇場のリンバリー・スタジオ・シアターがあり、リンバリーはロイヤル・バレエ以外の団体の公演や学校公演に使用されることも多い。今回のニュース記事では、ロイヤル・バレエの新シーズン演目とスケジュールについてご案内する。

rob1314_01.jpg 「ジュエルズ」撮影/アンジェラ加瀬

シーズン開幕は9月30日で、カルロス・アコスタ改定版 新『ドン・キホーテ』全幕の特別ガラ公演で始まる。新芸術監督ケヴィン・オヘアは、これまで様々なバーションの『ドン・キホーテ』を世界中で踊った経験を持つ、バレエ団のゲスト・プリンシパルのアコスタにロイヤル・バレエ独自の『ドン・キホーテ』全幕を振付てくれるよう依頼し、アコスタが既に仕事に着手していることを紹介。またオヘアはウィールドン振付の『不思議の国のアリス』のチケットが世界初演以来、完売を続けていることに触れ、バレエ・ファンは全幕物語バレエに強い関心を持っている、と語り、ウィールドンに14年春世界初演予定でシェイクスピア原作の全幕ストーリー・バレエ『冬物語』の振付を依頼したと発表。
新シーズンには他にもバレエ団常任振付家ウェイン・マクレガー、アーティスト・レジデントであるリアム・スカーレット、バレエ団のダンサーで振付家のアリステア・マリオットによる小品、ロイヤル・バレエ・スクール卒業後、バーミンガム・ロイヤル・バレエを経て、現在はヨーロッパを中心に振付家として活動し人気のデイヴィッド・ドーソンに小品を依頼しており、計5作品の新作バレエ世界初演が予定されていると語った。
この他にもバレエ団プリンシパルで06年に『ラ・シルフィード』改定版を手がけたヨハン・コボーがロイヤル・オペラの『シチリアの晩鐘』のバレエ場面の振付を担当すると発表。これにはロイヤル・バレエとデンマーク王立バレエのプリンシパル・ダンサーとロイヤル・バレエ・スクールより総勢35人のダンサーが出演予定。
シーズン最後の海外公演はロシア、モスクワのボリショイ劇場で公演する。
ライブ・シネマ・シーズンは、『ドン・キホーテ』『くるみ割り人形』『ジゼル』『眠れる森の美女』『冬物語』の全幕5作品が予定されている。 

rob1314_03.jpg 「ジゼル」撮影/アンジェラ加瀬

◎公演の詳細は下記の通り
9月30日〜11月6日『ドン・キホーテ』カルロス・アコスタ改定版
10月19日〜12月7日『ロミオとジュリエット』ケネス・マクミラン振付
11月9日〜11月23日『クローマ』『春の祭典』デイヴィッド・ドーソン新作
12月4日〜1月16日『くるみ割り人形』ピーター・ライト版
12月17日〜1月7日『ジュエルズ』ジョージ・バランシン振付
1月18日〜2月10日『ジゼル』ピーター・ライト版
1月23日〜1月18日『ヘンデルとグレーテル』リアム・スカーレット振付 ※
2月7日〜2月15日『ラプソディー』『グローリア』ウェイン・マクレガー新作
2月22日〜4月9日『眠れる森の美女』モニカ・メイソン、クリストファーニュートン改定版
4月10日〜5月8日『冬物語』クリストファー・ウィールドン振付
5月14日〜5月26日『セレナーデ』『スィート・ヴァイオレット』『DGV』
5月31日〜6月13日『真夏の夜の夢』『ザ・コンサート』アリステア・マリオット新作
※『ヘンデルとグレーテル』は13年5月8日世界初演 中劇場リンバリー・スタジオ・シアター上演。

ライブ・シネマ・シーズン イギリスでの上映予定日
『ドン・キホーテ』10月16日
『くるみ割り人形』12月12日
『ジゼル』2014年1月27日
『眠れる森の美女』3月19日
『冬物語』4月28日

演目発表後の質疑応答で、イギリス人記者から アシュトン作品が少なすぎるのではないか? という質問を受け、オヘアは、新作とのバランスを考えた結果このようになっただけで、アシュトン作品をないがしろにしているわけではない。14・15シーズンにはアシュトン振付全幕作品上演の予定もある、と語った。また別の記者より、12・13シーズンはナターリア・オシポワ、マシュー・ゴールディングらの客演があるが、新シーズンは? と問われ、RBのプリンシパルであるスティーブン・マックレーがこの夏ABTの『海賊』に客演、またABTのプリンシパルであるコリー・スターンズが今年冬にRBの 『くるみ割り人形』に客演する予定を明らかにした。スターンズは過去にユース・アメリカ・グランプリ入賞のスカラシップでロイヤル・バレエ・スクールに留学しており、スティーブン・マックレーやローレン・カスバートソンと親しいこと、スターンズがプロのダンサーとしてRBに客演できることをたいへん楽しみにしている、とも語っている。
ロイヤル・バレエは現シーズン、チケットの売行きが好調で、またライブ・シネマ・リレーでもたいへん好評を博している。新作が多く野心的ともいえる新シーズンの動向を見守りたい。

rob1314_02.jpg 「ジゼル」撮影/アンジェラ加瀬
rob1314_04.jpg 「真夏の夜の夢」撮影/アンジェラ加瀬
rob1314_05.jpg 「春の祭典」撮影/アンジェラ加瀬