ニュース

その他ニュース: 最新の記事

その他ニュース: 月別アーカイブ

大村真理子(マダム・フィガロ・ジャポン パリ支局長) 
[2012.10. 4]

元オペラ座のダンサー、ファニー・フィアットが、アートとダンスの新しいスペース「エレファント・パナム」をオペラ座近くにオープン

2009年に30歳を期に、オペラ座を去ったスジェのファニー・フィアット。現在はマルセイユを拠点とするジュリアン・レステルのグループのソリストとしてダンスを続けている。それと並行し、アーティストである弟のローランと組んで、4年前にとてつもないプロジェクトを立ち上げた。

011210elephant03.jpg Photo:Emmanuel Donny

それは姉弟の二人の情熱を融合させた、アートとダンスのためのセンター。 エレファント・パナムという名称で、9月13日にお披露目があった。驚くべきは、その立地、その建物、その規模の大きさ! 場所はパリの中心部で、オペラ座とヴァンドーム広場からそう遠くないヴォルネー通り。これは1854年に開通したそれほど長くはないが、当時建築されたナポレオン三世時代の建物が並ぶ通りである。その10番地の建物をまるごと、エレファント・パナムとして二人はオープンさせたのだ。かつては古代の美術品のコレクターで有名ロシアのプリンス、ピエール・ソルティコフが住み、その後は銀行だったこともあるそうだ。

地上階のガラス屋根の丸広間がつなぐ2棟の建物からなり、それを500万ユーロをかけて、二年がかりで工事。2000平米のスペースの 通り側はアート、丸広間の先の建物がダンス、と分担されている。これからのオープンとなるがレストラン、カフェも擁するのは、さまざまな芸術分野の人々の出会いをファニーとローランが期待してのこと。というわけで、9月13日のオープニング・パーティーには、アート関係者、ダンス関係者、そしてファッション関係者などが集まった。

すでに展覧会スペースでは「EP ! DE L’AIR… OU L’ART EN MOUVEMENT」展(11月4日まで)が開催されている。これはこけら落としということもあり、ファニーとローランのアート嗜好を反映したもので、エリオット・アーウィットの写真もあれば、ドガやセザールの彫刻、黒田アキの巨大なペインティングなどもあり。さまざまなアート作品が複数フロアーに展示されている。作品が展示されるスペースでは19世紀半ばの建築当時の装飾、木工細工などが、今回の工事によって美しい状態を取り戻しているので、内装も見逃せない。

011210elephant09.jpg Photo:Michel Lidvac

ここではアート展ばかりではなく、ダンスファンのための展覧会も予定されている。例えば、来年の2月に始まる「ノエラ・ポントワ」展だ。エトワールとして活躍後、5年前まで彼女はオペラ座で教師として働いていた。17歳に入団してから、40歳でリタイアするまでのダンサーとしてのキャリアを写真、衣装、映像などで立体的に見せる展覧会になるらしい。

歴史を感じさせる内装の通り側のアート用スペースと異なり、建物後方のダンス専用棟は、ぐっとモダーンな500平米。カンパニーや教師などダンス関係者はもちろん、俳優や音楽家なども対象にしたレンタルのダンススタジオが4フロアーある。

これまでパリにはなかったタイプのセンター。早速、コンサートやファッションの展示会などが予定されているようだ。ファニーとローランの意欲的な試みにエールを送るべく、機会があればぜひエレファント・パナムを覗いてみよう。

ELEPHANT PANAME
10, rue Volney 75002 Paris
tel 01 49 27 83 33

011210elephant06.jpg Photo:Mariko Omura 011210elephant07.jpg Photo:Mariko Omura 011210elephant08.jpg Photo:Mariko Omura
011210elephant02.jpg Photo:Grégoire Camuzet 011210elephant01.jpg Photo:Emmanuel Donny
011210elephant04.jpgphoto:Michel Lidvac 011210elephant05.jpgphoto:Michel Lidvac