バレエ公演の形式はいろいろある。クラシック・バレエの全幕もの、名作のパ・ド・ドゥなどを中心としたガラ公演、スターダンサーを中心とした＜仲間たち公演＞、何かを記念したリサイタルなどがある。その中で、最近はダンサーが中心となって全体を仕切って行う公演も、時折、見かけるようになってきた。ただ、そうした公演も継続して開催することはなかなか難しいようにも見える。

そうした中で、BALLET TheNewClassic（BTNC）という公演が2026年には3回目の公演を行うという。この公演は2022年に始まり、写真家の井上ユミコとK-BALLET TOKYOのプリンシパル、堀内將平が立ち上げた公演だが、ダンサーの優れた身体や著名な音楽、豊かな教養、といったクラシック・バレエの「ポテンシャル」を活かして、新しい「定番」を提案する、というもの。そのためにダンス以外でも多くの試みを行なってきた。
クラウド・ファンディングを立ち上げ、成功させたこと、一般から募集した古いバレエ衣裳をデザイナーの幾左田千佳がアップサイクルして蘇らせて使用したこと。ヘアメイクやスタイリングにもトップクリエーターが名を連ねたことなどなど。井上と堀内が公演全体をデザインし、パフォーマスを彩った。そして2022年、24年の公演は全席ソールドアウトとなった。

現在、新国立劇場・中劇場で行われる2026年7月30日（木）～8月2日（日）までの第3回公演のキャストの第１弾が発表されている。
佐々春香（ベルリン国立バレエ団プリンシパル）中島瑞生（新国立劇場バレエ団ファースト・アーティスト）中村祥子（K-BALLET TOKYO名誉プリンシパル）南江祐生（東京バレエ団セカンドソリスト）三森健太朗（ウィーン国立バレエ団プリンシパル）三宅啄未（アメリカン・バレエ・シアター ソリスト）横山瑠華（テューリンゲン州立バレエ プリンシパル）というキャストが発表され、プログラムは今後、発表されるの待つことになっている。
「エレガンスを身に纏い、クラシックの舞台に革命を起こす、躾の良い不良たち」が、どんな舞台を見せてくれるのか、今から大いに楽しみである。