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香月 圭 
[2017.09.30]

マルコ・ゲッケの話題作『ニジンスキー』などモナコ・ダンス・フォーラム2017年冬シーズンのプログラム

ジャン=クリストフ・マイヨー率いるモナコ公国モンテカルロ・バレエは、国際的に活動するバレエ・カンパニーと、コンテンポラリー・ダンスをサポートし発展させていく基盤としてのモナコ・ダンス・フォーラム、そして教育機関としてモナコ王立グレース・アカデミーが三位一体となって有機的に展開している。モナコ・ダンス・フォーラムを中心とした2017年冬のラインナップをご紹介しよう。

■『ニジンスキー』マルコ・ゲッケ振付/ゴーティエ・ダンス劇場

モンテカルロ・ダンス・フォーラムは、2006年から新人振付家部門ニジンスキー賞を創設しているが、『ニジンスキー』は国際的な評価が高まっているマルコ・ゲッケが20世紀最大の天才ダンサーにインスパイアされて振付けた作品。Dance Cubeでは、2017年3月のニューヨーク公演を紹介している。
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-newyork/ny1704a.html
ディアギレフや妻ロモラなどの人物を交えながら、ニジンスキーの狂気や波乱に富んだ人生をミニマルな舞踊文体で切り取った話題作だ。2016年、シュツットガルトのゴーティエ・ダンス劇場で初演された以来、各地で再演されている。

1709montecarlo04.jpg 『ニジンスキー』ゴーティエ・ダンス劇場 ©Regina Brocke

■『ビバ・モミックス・フォーエヴァー』モーゼス・ペンドルトン振付/カンパニー・モミックス
アメリカ、コネチカット州ワシントンのカンパニー・モミックスは人体と衣装、物体や装置、装飾物を巧みにミックスし、色彩鮮やかで摩訶不思議なダンス・イルージョンの世界へ観客を誘う。『ビバ・モミックス・フォーエヴァー』は、カンパニー創設35周年を記念して2015年にモーゼス・ペンドルトンによるアイコニックな5篇『ボタニカ Botanica』, 『錬金術Alchemia』, 『リミックスRemix』, 『サボテン組曲Opus Cactus』, 『月の海Lunar Sea』を再構築したカンパニー集大成ともいえる作品だ。モミックスの『サボテン組曲』も2017年7月のfrom N.Y.で紹介されている。
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-newyork/ny1709b.html

1709montecarlo4.jpg 『ビバ・モミックス・フォーエヴァー』photo Andrea Chemelli

■『パ・クロワゼ』小池ミモザ振付・出演
モンテカルロ・バレエのプリンシパル小池ミモザは、新国立劇場で「ジャポン・ダンス・プロジェクト 2016 ムーヴ/スティル」を創作・出演した。今回小池ミモザは、ニースのマルク・シャガール美術館を舞台に美術作品とダンスとのコラボレーションを指向した意欲作『パ・クロワゼ』を上演する。小池は2015年にモナコ公国より文化功労章シュバリエを受賞、2016年よりモナコ公国の芸術研究機関ル・ロゴスコープの副総裁を務めており、活躍の場を益々広めている。

1709montecarlo06.jpg 『パ・クロワゼ』 ©Alice Blangero

■「アンプレヴュ1」モナコ王立グレース・アカデミー
「アンプレヴュImprévus-1(“予測不能”の意)」と題されたシリーズの第一回目はモナコ王立グレース・アカデミーの生徒たちが出演する。世界のトップダンサーを目指す彼らのレッスンの様子をモンテカルロ・バレエのアトリエで公開する。

1709montecarlo02.jpg 「アンプレヴュ1」©Alice Blangero

■『ノー・タイムズ・ランド』モンテカルロ・バレエ教育部
モンテカルロ・バレエ教育部は様々な教育機関と協力して、モンテカルロ・バレエの舞踊へのアプローチを基に教師向けの芸術トレーニング・プログラムを開発。「振付-声」では、そのプロジェクトの一環として、子どもたちのためのミュージカルを毎年制作している。今年はモナコ青少年スポーツ省、ニース・アカデミー他から、教師53名、初等・中等レベルの生徒65名が参加して16か月間かけて創作し、『ノー・タイムズ・ランド』を発表する。

1709montecarlo03.jpg 『ノー・タイムズ・ランド』©Alice Blangero

■『じゃじゃ馬馴らし』ジャン=クリストフ・マイヨー振付/モンテカルロ・バレエ団
2015年黄金のマスク賞で最優秀女性バレエ・ダンサー(エカテリーナ・クリサノワ)、最優秀男性バレエ・ダンサー(ウラディスラフ・ラントラートフ)、最優秀バレエ公演の3部門で3冠を達成したジャン=クリストフ・マイヨー版『じゃじゃ馬馴らし』は「ボリショイ・バレエ in シネマSeason 2015 – 2016」 でご覧になった方も多いことだろう。また、8月に行われた「ルグリ・ガラ」では、ビアンカとルーセンシオのパ・ド・ドゥをスミルノワとチュージンの「スミチュー」カップルが踊って会場を沸かせた。http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-tokyo/tokyo1709a.html これはボリショイ・バレエのためにマイヨーが2014年に振付けた作品で、出演ダンサーたちとの出会いから登場人物のパーソナリティーや振付が発展していったという。マイヨー自身が19歳のときにクランコ版を踊った経験から新解釈の構想を練っていたというが、その結果「従順でない女性を懐柔する男の話」から「変わり者の男女が最高の相性の相手とめぐり合う話」へと物語の主題が変貌し、スカルラッティのクラシカルなバロック音楽に代わり、ボリショイのダンサーたちにも馴染みのあるロシアのショスタコーヴィチの音楽を採用した。振付の際、言葉の壁はあったものの、音楽が双方の共通言語となり相互のコミュニケーションを図るのに役立ったという。このバレエは世界各地で絶賛されており、今回がマイヨーの本拠地モンテカルロでの凱旋公演となる。モンテカルロ・バレエのダンサーたちが彼とどのような舞台を創出するのか、楽しみだ。

1709montecarlo05.jpg 『じゃじゃ馬馴らし』photo Alice Blangero


 

モンテカルロ・バレエ・ダンス・フォーラム2017年冬シーズンプログラム
■11月7、8、9日
「アンプレヴュ1」モナコ王立グレース・アカデミー
 アトリエ・デ・バレエ・ド・モンテカルロ

■11月24日
『パ・クロワゼ』小池ミモザ振付・出演
国立マルク・シャガール美術館(ニース)

■12月8、9日 
『ノー・タイムズ・ランド』モンテカルロ・バレエ教育部
グリマルディ・フォーラム内 サル・プランス・ピエール

■12月14、15日
『ニジンスキー』マルコ・ゲッケ振付/ゴーティエ・ダンス劇場
サル・ガルニエ・オペラ・ド・モンテカルロ

■12月16、17日
『ビバ・モミックス・フォーエヴァー』モーゼス・ペンドルトン振付/カンパニー・モミックス
グリマルディ・フォーラム内 サル・プランス・ピエール

■12月28、29、30、31日、2018年1月2、3、4、5日
ジャン=クリストフ・マイヨー振付『じゃじゃ馬馴らし』モンテカルロ・バレエ団
グリマルディ・フォーラム内 サル・デ・プランス

●モナコ公国モンテカルロ・バレエ公式サイト:http://www.balletsdemontecarlo.com/en/