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関口 紘一 
[2011.07.22]

ABTが来日、オープニング・ガラが華やかに開催された!

メトロポリタン・オペラハウスの『眠れる森の美女』からロスアンジェルスの『春の小川』などの公演を終えた、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)が来日。7月20日にホテルオークラで記者会見を開き、21日には東京文化会館でオープニング・ガラを華やかに開催した。
記者会見では、ケヴィン・マッケンジー芸術監督とともに、12名ものスターダンサーがひな壇にずらりと並んだ。なでしこジャパン世界一の余韻が残っていたこともあるが、サッカーチームを作ってもまだ余裕があるスターを擁しているのか、と思わず感心してしまった。しかもアメリカはもとより、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、ロシアそして日本とその文化的なバックグラウンドは世界中に広がっている。もちろんそれぞれのアーティストとしての指向は異なるだろうし、受容したテクニックもまちまちだろう。ところがABTのスターは息が長い。前回の来日では、ラ・フォスが卒業したが、今回はフォセ・カレーニョがABTとしては最後となるが、両者ともABTのスターとしてまず名前を挙げられるくらいに世界中に認めていたダンサーだった。そしてパロマ・へレーラはABT在籍二十年、ジュリー・ケントは二十五年だそうだ。芸術監督のケヴィン・マッケンジーは「芸術に国境はない。たとえバックグラウンドが違っても理解しあえるから、アメリカのナショナル・カラーをフューチャーした舞台を創っていく」と語っていた。
今回の来演は、カレーニョのABT最後の舞台、加冶屋百合子の日本での主役デビュー、ダニール・シムキンが初めてABTと来日、ボリショイ・バレエ団のプリンシパル、ナターリヤ・オーシポワのゲスト出演、幕ごとに主役の異なるスペシャル『ドン・キホーテ』の上演などなど話題が多い。

そして21日にはオープニング・ガラが幕を開けた。
世界的に大ヒットして特にバレエ関係者に大きな反響を呼んだ映画『ブラック・スワン』で振付を担当し自らも踊ったベンジャミン・ミルピエ振付の『トロイカ』が日本初演され、シムキンほかの3人の男性ダンサーが踊って、劇場には清新な雰囲気が漂った。
ABTと最後となるカレーニョはシオラマ・レイエスと『ディアナとアクテオン』を踊って割れんばかりの拍手喝采。スペインで自身の主宰するカンパニーの活動と兼任しているためにABTの舞台が減っているアンヘル・コレーラも相変わらず凄い人気、美貌のイザベラ・ボイルストンと『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』を踊った。美しくエレガントでとても二児の母とは思えないジュリー・ケントは、鋭い集中力を見せるマルセル・ゴメスと『椿姫』のパ・ド・ドゥ。気鋭の振付家クリストファー・ウィールドンは母国の音楽家ベンジャミン・ブリテンの『ディヴァージョンズ』を使った斬新な造型を見せる『THIRTEEN DIVERSIONS』を披露した。
オープニング・ナイトらしい華麗な舞台が次々と上演された終演後は、一大サイン会が会場で行われた。当初は4名のダンサーだけが行う予定だったが、自発的参加が相次いで11名にまでにふくれあがり、記者会見と同様にスター集団がずらりと顔を揃えた。会場に残ったファンは思わぬ超ラッキーなシーンに大喜び、瞬く間に長蛇の列が文化会館のロビーに出現した。シモーン・メスマー、ケント、カレーニョ、ボイルストン、ゴメス、レイエス、コレーラ、ヴェロニカ・パールト、パロマ・ヘレーラ、デイヴィッド・ホールバーグ、ジリアン・マーフィーと並ぶと会場中にスターのオーラが渦巻いているようでさすがに圧巻だった。
中には上野駅の改札口にまで行ってから事情を知り、ほんとうに息せき切って駆け戻ってきたファンもいて興奮度はうなぎ上り。11名全員のサインを同時にもらえる、というチャンスはおそらく空前絶後のことかもしれないし・・・。
そしてスペシャル『ドン・キホーテ』からクロ−ジング・ガラへと7月31日のびわ湖ホールの公演まで、ABTの来日公演が行われる。

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