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三光 洋
[2015.12. 1]

オニール 八菜にプルミエール・ダンスーズ昇進後、初インタビュー

-------------パリ・バステューユ・オペラ座近くのブラスリー、グラン・マルシュで。

 ----昇級試験でのプルミエール・ダンスーズへの一位昇進おめでとうございます。

_DSC01481.jpg (C) 三光洋

オニール ありがとうございます。昇進出来るとは本当に思っていませんでした。早い時期にスジェに上がりましたし、今年もし昇進出来なくても、まあいいかなと思っていました。もちろん、昇進したい気持ちはみんなと同じようにありましたが。本当に昇進出来たので、すごくびっくりしました。結構、緊張していたので、硬くなっていつものようにはいきませんでした。それをなるべく目立たないようにはしましたけれど。
このコンクールって、毎年気分的にどんどん難しくなってきたので、これでもうコンクールをしなくて済むというだけで、すごくうれしいです。(笑)

----これからはエトワールと同じように役が回ってきますね。

オニール そうですね。それが楽しみです。

----ガムザッティは何回踊りますか。


オニール 五回です。

----『ラ・バヤデール』初日は意識しましたか。テロ事件の直後だったので、八菜さんだけでなく、オペラ座バレエ団全体も観客もとても緊張していたように感じましたが。

オニール 全体的にちょっと不思議な特別な感じでしたね。

----最初にリスナー総監督の談話と一分間の黙祷、それに続いてフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」の斉唱があり、独特な雰囲気の中で幕が上がりましたね。


オニール 緊張したいうよりも、いつも通りではない、という強い感じがありました。少し恐ろしいというか、気味が悪いような特別な感じでした。

----完全に転倒して床に手をついた男性ダンサーもいました。

オニール そうでしたか。

_OPB-la-bayadere-11-2015-2-oneill-c-little-shao.jpg (C) Opéra national de' ¨Paris/ Little Shao

----八菜さんのイメージするガムザッティはどんな女性ですか。

オニール ガムザッティはプリンセスなので、エレガンスはとても大事ですが、その一方で誰かを殺したいというくらいの意地悪でもあります。自分の思い通りいかなかったことが人生で一回もなかったような人です。

----初めてガムザッティを踊った感想をお聞かせください。


オニール 初日は全体的に思うようにいかなくて、ちょっとがっかりしました。。ヴァリエーションはコンクールでも二回踊っていますが、パ・ド・ドゥや、それ以外は初めてでした。フロランス・クレールがコーチで、人物のキャラクターをどうしたら表現できるか、という指導が中心でした。ちょっとした目つきとか、手の置き方といった細部です。たとえば第一幕でニキヤと争うところでは、どこまで腕を伸ばすかとか、相手を手で押してから、後でどうやって手を下げるか、といった点です。
ただし、コーチのフロランスはガムザッティは踊ったことがないので、ヌレエフの振付を詳細まで教えてもらったわけではありません。だから、自分でも工夫したり、すでに踊ったことのあるリュドミラ・パリエロやアニエス・ルテステュとも話してアドヴァイスをもらいながら、それぞれの動きの意味を考えて、どうするかを決めていきました。
ストーリーをわかりやすく説明してもらい、いろいろ注意されると、自分の頭の中で「ああ、こうふうに考えればいいんだ」とわかって、イメージが浮かびました。

----ソロル役のマチアス・エイマンについてお聞かせください。

オニール 初日に比べて二度目は百倍くらいよかったです。二人とも気持ちよく踊れたんですけれど、初日はコミュニケーションも通らないで、お互いにかちかちのまま終わってしまいました。回を重ねれば、息が合ってきます。だから、五回(最後は12月9日)踊ることができて本当に感謝しています。三回目とか、四回目とかがいいんじゃないでしょうか。

----パートナーとしてはどうでしょうか。

オニール 『パキータ』でも踊っていて、ちょっと何かがうまくいかないことがあると、それからのあとが彼にとっては私が大きいから大変になっているみたいです。私の方が毎回テクニックは同じように踊る、というのを頭に入れていかないとだめだと思います。息はよく合うので、すべてがうまくいけばすごく良い舞台が作れると思います。

_OPB-la-bayadere-11-2015-1-heymann-oneill-c-little-shao.jpg(C) Opéra national de' ¨Paris/ Little Shao

----ニキヤを踊ったドロテ・ジルベールの印象はいかがですか。

オニール 彼女はガムザッティを踊った経験があるので、いろいろと助けてくれました。今回の舞台ではニキヤの役作りをとてもうまく工夫をしているな、と感じました。

---今晩はコール・ド・バレエとしての出演ですね。

(プルミエール・ダンスーズへの昇進は2016年1月1日からで、それまではスジェ)

オニール はい、コール・ド・バレエで舞台に出ると、結構大変で疲れるのです。第3幕の「影の王国」のバヤデールの精霊たちが現れるシーンは、前から三番目で最初から出ていますので、かなり長い間舞台を務めなければなりません。傾斜が大きいので、「あれ、こんな急だったんだっけ」と思いながら降りています。12月31日の終演日までずっと踊ることになります。

----『ラ・バヤデール』の次に踊る演目は何ですか。

オニール 2月のジェローム・ロビンズ振付の『ゴールドベルク変奏曲』です。その先はまだ決まっていません。

----プルミエール・ダンスーズとして、特に心がけようとしているのはどんなことでしょうか。

オニール 現役引退までちょうど20年間あることになります。テクニックについては少し自信がありますが、これからは表現力を高めて、役柄の表現をもっと深めていきたいです。まだまだ習わなければならないことがたくさんあるし、経験を積み、舞台表現を広げていきたいです。

----ありがとうございました。これからのいっそうのご活躍を期待しています。


 2017年3月の日本ツアーは、ピエール・ラコット振付の『ラ・シルフィード』とバンジャマン・ミルピエ振付の『ダフニスとクロエ』が予定されているそうだ。ラコットが彼女を高く評価しているので、『ラ・シルフィード』のタイトルロールに起用される可能性は高いのではないだろうか。
(2015年11月24日)

_DSC01463.jpg (C) 三光洋