インタビュー&レポート

レポート: 最新の記事

レポート: 月別アーカイブ

すずな あつこ
[2017.08.25]

吉田都と堀内元、そして米沢唯、福岡雄大が闊達に熱く踊って、大いなる盛り上がりを見せた「Ballet for the Future 2017」大阪公演

今、ヨーロッパやアメリカのバレエ団で活躍する日本人のニュースを一般紙でもたびたび目にするようになってきたが、かつてはそうでなかった。そんな時代から海外、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして活躍した吉田都、そして、ニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパルを経て、現在、セントルイス・バレエの芸術監督を務める堀内元──そんな海外で活躍する日本人プリンシパルの先駆けとして高い評価を受けてきた2人を中心とした公演「吉田都×堀内元 Ballet for the Future 2017」が、8月23日(水)、NHK大阪ホールで幕を開けた。
全体に、群舞の隅々まで実力派ダンサーが揃っていることがつくづく感じられた公演。昨年10月にセントルイスで初演された堀内元振付『Haydn Cello Concerto』で幕開け。ハイドンの曲に乗せてクラシック・バレエの動きをベースに。オープニングにふさわしい気品を持った華やかな群舞だった。続く『And My Beloved』はエメリー・ルクローン振付、なめらかで静謐、神にまっすぐ向き合いながら相手と寄り添う男女3カップル。堀内元がたびたび踊ったという『タランテラ』は、佐々木夢奈と末原雅広。バランシン振付のテクニカルでコミカルな踊りを、堀内元直伝により鮮やかな音楽性と高いテクニックで見事に踊り、佐々木は恵まれたスタイルを活かしながら初々しく可愛らしく。じつに生き生きとした『タランテラ』だった(東京&札幌は、塩谷綾菜&末原雅広の予定)。
そして『ライモンダ〜第3幕(結婚の祝宴)より〜』を、吉田都、福岡雄大中心に。吉田のベテランの風格を持った威厳が、この踊りに合う。そして、福岡は、男性らしい力強さとノーブルな魅力を兼ね備え、高いテクニックで会場をわかせる。彼は観るたびに良いダンサーとしてレベルアップしているような気がした。
最後は、堀内振付の『Passage』。男女が通過しつつ惹かれ合っていく様を堀内元、米沢唯を中心に、寺田亜沙子、岡田兼宜を準主役に。群舞にもそれぞれの物語が感じられる作品。魅力的な女性に惹かれるシャイな青年、そんな雰囲気の堀内の踊り──穏やかなストーリーに引き込まれた。クライマックスでの米沢の回転テクニックが鮮やかだと魅入っていたら、堀内もとても美しいアラセゴン・トゥール、ジャンプをともなった動きもさすがで、とても美しかった。その丁寧で鮮やかな踊りを観ていると、長く踊って来た堀内元──彼が今も本当にバレエを心から愛しているんだということが伝わってきた。
8月28日(月)には東京・新宿文化センター、8月31日(木)には札幌・ニトリ文化ホールで上演される。
得難い国際的な舞台経験を重ねた吉田都と堀内元のヘリテージともいうべきダンスを、次の世代がいかに活かすのか、それは舞踊に関わる人々すべての責任でもあるのだ。

bftf2017osaka.jpg 写真:イングルウッド 近藤幸博

 

吉田都×堀内元 Ballet for the Future 2017
<東京公演>

8月28日(月) 開場17:45 開演18:30 新宿文化センタ―   
主催:チャコット   
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00-18:00)

<札幌公演>
8月31日(木) 開場17:45 開演18:30 ニトリ文化ホール
主催:チャコット/オフィス・ワン 特別協力:TVhテレビ北海道 協力:オフィス・メロディ
ご予約・お問い合わせ:オフィス・ワン 011-612-8696 (10:30-18:00土日祝休)
http://www.officeone.co.jp/

▼公演情報詳細はこちら
http://www.chacott-jp.com/magazine/information/stageinfo1/bff2017.html