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[2006.09. 5]

英国ロイヤル・バレエのトップバレリーナ、吉田都がK-BALLETに移籍

 今年の夏、思わず快哉を叫びたくなるようなビッグニュースが飛び込んできた。
「吉田都、K-BALLET COMPANYに移籍!」
世界のバレエ界に君臨したスターたちの年齢が上がり、将来に備えるように直接踊る以外の活動を増やしている。かといって、目を見張るようなニュースター が現れそうな兆しも感じられない。しかし、依然としてバレエブームは続いている、そんなもうひとつ釈然としない雰囲気の中で、一陣の風のような覚醒を促す 情報だった。
英国ロイヤル・バレエのトップ・プリンシパルとして、まさに檜舞台で10年間も踊り続けている吉田都は、日本に復帰するとしたら、様々なシナリオも選択 肢もあったろう。その中で彼女が、K-BALLET COMPANYで踊る道に立ったことは、日本のバレエの輝ける瑞祥でなくてなんだろう。
熊川哲也が1999年以来営々と培ってきた、「ヨーロッパの芸術であるバレエを、グローバル・スタンダード以上のレベルで日本から発信する」という未来図を、マジカルに具体化する環境が整った、と私は思う。
早速、記者会見が開かれた。今後、吉田都は、英国ロイヤル・バレエ団のゲスト・プリンシパルとしても踊るので、日本と英国とで今までよりも公演数が増え てハードになるかもしれない。しかし彼女は、K-BALLET COMPANYを移籍先に選んだ。その理由の要旨以下のようだった。
・ダンサーがプロフェッショナルとして踊りに集中でき、プライドを持って踊れる環境がバレエ団の理想のあり方。日本ではまだそれが実現されていない中で、熊川はバレエを職業としてできる環境を作っている。

・日本で一番多くの公演数を実現し、継続している。どれだけリハーサルを重ねても一日の本番の舞台の経験にはおよばない、というくらいダンサーは生の舞台で培われていくから。

・熊川が演出/再振付を手掛けた古典全幕バレエを観て、古典を大切にしているカンパニーだと感じた。

・日本の子どもたちとワークショップを行って、自分が英国で学んだことをこれからの人たちに伝え、日本の子どもたちの将来に役立つことをしたい。
  特に昨年だったと思うが、横浜県民ホールで行われた彼女の公開リハーサルは感動的だった。彼女のダンス同様、非常に繊細に学んでいる子どもたちの心を キャッチした上で教えているので、そこには本来の意味での教育があり、心に滲みるような素晴らしいリハーサルだった。吉田都が日本の子どもたちを教えた い、と思ってくれるだけでも希望が沸いてくる 。
(関口紘一)