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舞踊評論家:関口紘一 
[2016.07.12]

吉田都×堀内元 Ballet for the Future 2016 公演(東京/金沢)プレビュー

近年のバレエの名舞台!! 〜日本と世界のバレエがクロスして、21世紀の新しいバレエの局面が現れる、バレエファン必見の公演〜

英国ロイヤル・バレエ団とバーミンガム・ロイヤル・バレエ団で、22年間にわたって最高位のプリンシパル・ダンサーを務めた吉田都、20世紀の巨匠バランシンの愛弟子であり、ニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパルとして活躍した堀内元(現セントルイス・バレエ芸術監督)。昨年夏、この日本の至宝とも言うべき二人のダンサーが、次代のために渾身の力を込めて協力して創った舞台「Ballet for the Future」は、いつ終わるとも知れぬ大喝采に包まれました。そして近年のバレエの名舞台のひとつとして、語りぐさとなっています。

2016年、「Ballet for the Future」はさらに進化して、金沢と東京は会場を東京文化会館の大舞台に移し、日本やアメリカなどで踊り、今、まさに旬を迎えるダンサーたちを招いて新たなプログラムを披露します。

今回吉田都と堀内元が主演する『Romantique ロマンティーク』は、堀内元がセントルイス・バレエに振付けたヒット作品。音楽はクロード・ボリングの曲で、クラシックやジャズ風の曲が速いテンポで次々と流れる。吉田都が初めて堀内元作品に出演するにあたって、堀内が「都さんがよりいっそう輝けるように」と彼女のために振付を改めた。バランシン譲りのスピード感溢れる展開で、爽快感に満ちた舞台です。いわば「万華鏡的愛の幻想」をじつに巧みに表していて、音楽との一体感が素晴らしいダンス。『Romantique』は、「元さんらしく、アメリカンな感じの作品で、解放感を感じながら踊ることができるので、とても楽しいです」と吉田都は語っています。

BFF2016.jpg (左より)堀内元、吉田都、米沢唯、奥村康祐  © Shunki Ogawa

そしてバランシンから直接教えを受けた堀内元の指導の下に、米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)と奥村康祐(同団ファースト・ソリスト/来期よりプリンシパル昇格)が『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ(振付:ジョージ・バランシン)』を踊ることも大いに注目したいと思います。この公演の芸術監督を務める堀内元は「新国立劇場バレエ団のスターの二人に踊って頂けるのはとても嬉しい」と語っています。このパ・ド・ドゥに憧れをもってきた米沢唯は、堀内元の指導とこれを得意の演目としていた吉田都からのアドヴァイスをしたいとの申し出に、今から胸をふくらませています。日本バレエ界の最前線を走る二人のダンサーがこの作品の最高の指導者と出会い、いっそう魅惑的な輝きを放つ舞台を創ります。今日のバレエファン必見のステージです。

そしてまた、寺田亜沙子(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)と清水健太(ロサンゼルス・バレエゲストプリンシパル)が主演する『More Morra』、パーカッションを主体にしたテンポの速いジョー・モッラの音楽にのせた、ダイナミックな動きが多い堀内の振付をどのように踊りこなしてくれるのか、これもまたたいへん興味深いものがあります。(ほか2作品を予定)

“レジェンド”として世界で活躍している吉田都、堀内元とともに、日本やアメリカの舞台で踊り、今、まさにバレエ界を牽引している米沢唯、寺田亜沙子、清水健太、奥村康祐ほか、さらに次世代を担うフレッシュなダンサーたち、という3世代が華やかに舞台を彩る「Ballet for the Future 2016」。「とてもエネルギッシュ、みんなのエネルギーを凄く感じる公演です。若いダンサーたちと一緒に楽しい舞台を創りあげていきたいと思います」と語る吉田都。「作品それぞれに特徴がありとても流れがあるので、最初から最後まで満足感を感じていただける公演になると信じています」と語る堀内元。

日本と世界のバレエがクロスして、21世紀の新しいバレエの局面が現れる、まさにこれからのバレエを語る上で見逃すことのできない公演と言えるでしょう。バレエを学ぶ学生たちにもぜひ観てもらいたいと思います。

<東京公演>
2016年8月31日(水)18:30開演 東京文化会館(東京・上野)
<金沢公演>
2016年9月3日(土)18:30開演 本多の森ホール(石川・金沢)

▼公演詳細はこちら
http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/bff/index.html