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森 瑠依子 
[2017.03.19]

パリ・オペラ座バレエが踊るバレエ・リュスの傑作集を1日のみ劇場公開
セルゲイ・ディアギレフ生誕145周年記念特別上映 パリ・オペラ座『バレエ・リュス』

バレエの枠を超えて、20世紀の芸術、文化に多大な影響を及ぼしたバレエ・リュス。その主宰者であるセルゲイ・ディアギレフの145回目の誕生日にあたる3月31日(金)に、東京と大阪でパリ・オペラ座バレエ団の「バレエ・リュス」100周年記念公演の記録映像が特別上映されることになった。この公演は今から8年前の2009年の12月に行われたもので、新しい映像ではないのだが、バレエ・リュスの初期〜中期の代表作4作が収録されており、たいへん見応えがある。

1703cinema07.jpg 『ばらの精』

幕開きはマチアス・エイマンとイザベル・シアラヴォラによる『ばらの精』(ミハイル・フォーキン振付、ウェーバー作曲、ベルリオーズ編曲、バクスト美術、1911年初演)。エイマンの軽やかな身のこなし、しなやかで神経の行き届いたポール・ド・ブラがこの役を初演したワーツラフ・ニジンスキーのポーズを彷彿させ、感慨深い。
続く『牧神の午後』(ニジンスキー振付・主演、ドビュッシー作曲、バクスト美術、1912年初演)は、ニコラ・ル・リッシュが牧神、エミリー・コゼットがメインのニンフを演じている。ドビュッシーの流麗で幻想的な音楽とはミスマッチに思える、舞台前方を左右に行き来する直線的な動きを中心に構成されているが、そのために動きに音楽に流されない緊張感が生まれている。オリジナルを再現した、古代ギリシャがモチーフの雄大なセットも見所だ。
3作目の『三角帽子』(レオニード・マシーン振付・主演、ファリャ作曲、ピカソ美術、アラルコン原作、1919年初演)は、にぎやかで娯楽性に満ちたスペインを舞台とするコメディ・バレエ。女好きのコレヒドール(=代官、ファブリス・ブルジョワ)に目を付けられた粉屋の女房(マリ=アニエス・ジロー)と粉屋(ジョゼ・マルティネズ)が代官をやり込める話だ。粉屋の振付には本格的なフラメンコが採り入れられており、スペイン生まれのマルティネズは適任。フィナーレの群舞は圧倒的な迫力に満ちている。
最後の『ペトルーシュカ』はフォーキン振付、ブノワ美術、ストラヴィンスキー作曲、1911年初演の物語で、魔術師(ステファン・ファヴォラン)に操られるペトルーシュカ(バンジャマン・ペッシュ)、バレリーナ(クレールマリ・オスタ)、ムーア人(ヤン・ブリダール)の3体の人形たちの悲劇を描く。ストラヴィンスキーはバレエ・リュスのためにすぐれたバレエ曲を複数作曲しているが、これは特に振付と音楽が完全に一体化した名曲。フォーキンが振付けた町中の群衆の生き生きとした様子と、人形たちのぎくしゃくした動作の対比も印象的だ。

1703cinema05.jpg 『牧神の午後』
1703cinema06.jpg 『ペトルーシュカ』

4作品とも、バレエ・リュスの個性である舞踊、美術、音楽が融合した総合芸術としての魅力を備えた傑作。そしてすべて男性が主役で、しかもニジンスキーとマシーンというバレエ・リュスの大スターたちの当たり役ばかりだ。これらを演じられる男性舞踊手をそろえたパリ・オペラ座バレエの実力を思い知らされる映像でもある。

 
1703cinema01.jpg 薔薇の精を演じるワーツラフ・ニジンスキー 1703cinema02.jpg 『牧神の午後』のニジンスキーを描いた
バレエ・リュスのプログラム表紙
1703cinema03.jpg 『三角帽子』の粉屋を演じるレオニード・マシーン 1703cinema04.jpg ペトルーシュカを演じるワーツラフ・ニジンスキー
(画像提供:兵庫県立芸術文化センター 薄井憲二バレエ・コレクション)

なお、この公演についての詳しいレポートは、以下のリンク先をご参照ください。
[2010.01.12]
絶品だったマルティネズの『三角帽子』、ル・リッシュの『ペトルーシュカ』ほか
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1001b.html
[2010.01.12]
100年前の衝撃を垣間見せたパリ・オペラ座「バレエ・リュス」公演
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1001a.html

セルゲイ・ディアギレフ生誕145周年 特別上映
パリ・オペラ座 2009年公演『バレエ・リュス』


【上映日時】 2017年3月31日(金) ※1日限定
1回目) 12:00〜13:40 / 2回目) 19:00〜20:40
  ※全席指定(完全入替制)
 
【上映館】
東京)TOHOシネマズ 日本橋 / 大阪)TOHOシネマズ 梅田
料金: 各作品 一般3,000円 学生2500円(入場時学生証提示)
チケットぴあにて先行発売、上映劇場にて残数がある場合に限り当日券販売予定
チケットぴあ作品情報:http://w.pia.jp/t/ballets-russes/
チケットぴあPコード: 東京 TOHOシネマズ日本橋556-603、大阪 TOHOシネマズ梅田556-604
チケット発売スケジュール: 2017年3月18日(土)10:00〜3月29日(水)23:59

●問い合わせ先:
カルチャヴィル公式サイト www.culture-ville.jp/parisoperaballetrusses

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