[2008.03. 1]

ヤン・リーピンの「シャングリラ」

 中国という大きな国にはたくさんの少数民族がそれぞれの文化を持ちながら、生活していらっしゃるそうです。
雲南省・迪慶に生活する26の少数民族達が育んできた伝統文化「民族歌舞」。しかしこの民族の貴重な財産も時代と共に消滅しつつあります。その財産を守り、残していこうと、今回の舞台を創り上げたのがヤン・リーピンさんです。

彼女は中国各地の少数民族を訪ね歩き、各民族の舞踊や歌を採集し、踊りと歌の名手たちをスカウトし、この「シャングリラ」を完成させました。 11月には制作発表もご紹介したこの公演。今回は公演に先駆けて公開されたゲネプロに行ってきました。

ダンスだと思って席に座っていると驚いて飛び上がりそうになるほどの迫力で太鼓の音が響いたり、少女の口からのびやかな大きな歌声が響いたり。そしてひとつひとつのシーンにそれぞれの意味があります。「雨乞い」や「魚をとる時の歌」。それぞれの民族ごとに特徴のある太鼓、その太鼓を打ち鳴らす姿がすでに踊りです。打ち鳴らされた太鼓の音が、客先に座っていても身体の中まで響いてくるようで浮き立った気持ちになってきます。
少女がずらりと並んで歌い踊る姿は、かわいらしくも美しく、気高ささえ感じられます。
それぞれの特徴を生かして男性は力強く、女性はたおやかに。祈りをこめたパフォーマンスが繰り出されます。
又、美しい衣裳もみどころのひとつです。衣裳はすべて手作りで各民族ならではの手法で作り上げられました。 1着の制作に4~5年かかるという貴重な衣裳です。

舞台は6場に分かれていますが、それぞれに字幕で説明が入りますのでそちらを読んでからパフォーマンスを見ることができます。確かにこれは雨乞いだ!とかこの太鼓の音にそのような祈りがこめられているとは・・・と理解を深められるのも楽しみのひとつです。

「ダンスを踊る」のではなく「私が踊り」「私が音楽」「私が祈り」。彼らの先祖代々に受け継がれている文化を日本にいながらにして体験できるチャンス。皆さまもぜひ劇場に足を運んでみませんか?


 


Dynamic Yunnan
ヤン・リーピンの「シャングリラ」 

●Bunkamuraオーチャードホール
●芸術監督・構成・主演=ヤン・リーピン
●出演=雲南映像集団