渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe
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●パリ・ オペラ座バレエ団はひさしぶりの『エチュード』ほか

 新監督ジェラール・モルティエ体制の最初のシーズンがいよいよ開幕。バレエは、9月22日からスタートし、ハラルド・ランダー振付『エチュード』、ジェローム・ベルの委嘱新作『ヴェロニク・ドワノー』、ジェローム・ロビンズ振付『グラス・ピーシズ』の3本立てのミックス・プログラムが10月9日まで上演される(初日のみ『デフィレ』とバランシンの『ソナチネ』が追加)。
 『エチュード』と『グラス・ピーシズ』は、90年代のパトリック・デュポンの時代にしばしば取り上げられていたが、ほぼ10年ぶりの上演になるのではなかろうか。

  前者は、1948年、デンマークで初演された後、52年に新版がパリ・オペラ座で上演され、以来、オペラ座の代表的レパートリーの一つとして、公演回数200回以上を記録している。バー・レッスンからセンターまで、バレエの稽古風景を作品にしたもので、基礎から、テクニックを要する華やかなパまでの発展段階が、3人のソリストとコール・ド・バレエによって整然と綴られていく。この作品は、95年の日本公演でも上演されている。P・デュポン時代は、女性ソリストにエリザベト・プラテル、マリ=クロード・ピエトラガラ、アニエス・ルテステュ、男性ソリストにP・デュポン、ローラン・イレール、マニュエル・ルグリ、ニコラ・ル・リッシュ、ジョゼ・マルティネズなどが日替わりで登場し、妙技を競ったものだが、それがつい昨日のことのように思い出される。94年には、ルテステュ、ル・リッシュ、マルティネズという若手トリオの組み合わせが1日だけ実現し、ルテステュのエトワール任命のうわさも流れて衆目の関心を集めた。本拠地で久々となる今回は、キャスティングも一新されての上演で、新たなスターたちの競演が目を楽しませてくれそうだ。


『エチュード』

 『グラス・ピーシズ』は、ロビンズの傑作で、かつてピエトラガラやルテステュらが好演したソリストの役を、誰が引き継ぐことになるのか、注目される。
 新作の『ヴェロニク・ドワノー』。バレエ団のスジェの踊り手の名前をとったタイトルを見ても、すでに挑発的なものとなりそうな予感がするが、一体どんな作品が誕生するか、興味津々である。

『グラス・ピーシズ』
  問い合わせ:www.operadeparis.fr

●ヴァルナ国際バレエ・コンクールで オペラ座勢が入賞

 7月にブルガリアのヴァルナで開催されたヴァルナ国際バレエ・コンクールで、オペラ座から出場したマチルド・フルステー(19歳)が金賞、ジョシュア・オファルト(20歳)が銀賞を受賞した(共にシニア部門)。二人は、昨年コリフェに昇進したばかりだが、すでにソリストの役を踊るなど、オペラ座期待のホープである。

●オペラ座エトワールたちに相次ぎ二世誕生

 この夏、クレールマリ・オスタ、エリザベート・モラン、マリ=クロード・ピエトラガラに、そろって女の子が誕生した。かつては、エトワールが子供を生むことがタブー視されていた時代もあったが、最近では、ママ・エトワールも珍しくなくなった。たとえば、親子ニ代にわたるオペラ座バレリーナとして、日本でもよく知られているのは、名花ノエラ・ポントワと愛娘ミテキ・クドー。10年ほど前に、オペラ座での母娘共演を果たし、大きな話題になったが、ミテキも、3年前ママになり、同じくバレエ団のスジェであるジル・イゾアールとの間に、ジャドちゃんという女の子がいる。ジャドちゃんが将来、バレエを志すようになれば、三代にわたるバレエ一家が誕生することになろう。

 さる5月20日に、マチュー・ガニオ(両親は紹介するまでもなくドミニク・カルフーニとドゥニ・ガニオ)がエトワールに任命されて以来、これからも、親子ニ代にわたるエトワール誕生という奇跡が起こるかもしれないと、オペラ座ファンたちは、胸をときめかしている。実際、その可能性はなくはないのである。エトワールのローラン・イレールの長女ジュリエットちゃんがオペラ座バレエ学校に在籍していることは、紹介したが、このほど次女のヴァランチーヌちゃんもバレエ学校に入学したそうで、すでに両親(コリーヌ夫人もオペラ座のバレリーナだった)と同じ道を歩み出している。さらに、バレエ学校には、マチュー君の妹のマリーヌちゃんも在学中で、バレエ学校の公演が面白くなりそうだ。

 かつてオペラ座で活躍したスターたちに目を転じると、フロランス・クレールとシャルル・ジュド、フランソワーズ・ルグレ、モニク・ルディエールとエルヴェ・ディルマン、ファニー・ガイダとファブリース・ブルジョワ、イザベル・ゲラン、カロル・アルボ、クロチルド・ヴァイエらにも、それぞれ子供がいる。

 現役では、デルフィーヌ・ムッサンとリオネル・ドラノエ夫妻の愛息ポール君が、時々オペラ座に姿を見せ、すでにアイドルとなっている。子供達が皆ダンサーの道を目指すとは限らないが、この中から、いつか、二世あるいは三世のダンサーが誕生するかもしれないと思うと、未来への夢が大きく膨らんでくる。

 また、姉妹バレリーナには、オレリー・デュポンとバンジャミーヌ・デュポン(マルセイユ・バレエ団)、レティシア・ピュジョルとガエラ・ピュジョル(ベルリン・バレエ団)等の例があるが、オペラ座のコール・ド・バレエの中にも、姉弟ダンサーが何組かいて、これからもバレエ・ファミリーは、注目を浴びる存在となることだろう。
 

 

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