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三光 洋 
[2015.02. 5]

パリ・オペラ座バレエ団が来シーズンのプログラムを発表した

2月4日午前10時から1時間半にわたってバスチーユ・オペラにおいてパリ・オペラ座バレエ団の来シーズンのプログラムが発表された。オペラ座総監督のステファン・リスナーが中央に座り、その右にバレエ監督のバンジャマン・ミルピエ、左にフィリップ・ジョルダン音楽監督が並んだ。

150205pari01.jpg (C) 三光洋

まずリスナー総監督が「アンビション(野心)」「バランス」「一体性」の3つスローガンに沿って新しいオペラ座の指針について話した。その要旨は
「経済的、社会的、政治的に困難な時代にあって萎縮して守りの体勢に入るのではなく、思い切った野心的なプログラムを展開する。再演よりも新演目を中心とすることでメセナを集め、観客層も広げる。6年間の長い期間を念頭に置いてプログラムを組むことによって、プログラムに一貫性を与え、また決まったアーティスト(指揮者、演出家、振付家、ソロ歌手)を定期的に招聘する。

オペラ座管弦楽団、合唱団、バレエ団の三者が一体となり、チャイコフスキーが1892年の初演時に行ったのと同様に、オペラの『イオランタ』とバレエ『くるみ割り人形』を同じ夜に上演する。ディミトリー・チェルニアコフが演出し、バレエは5つの部分をシディ・ラルビ・シェルカウイ、エドゥアルド・ロック、バンジャマン・ミルピエ、アルチュール・ピタ、リアム・スカーレットが振付ける。(2016年3月7日から4月1日まで12公演)このスペクタクルはオペラとバレエとを一体としてとらえる新しい方針の象徴的な作品となる。
またガルニエ宮とバスチーユ・オペラの二会場につぐ第三の会場としてインターネットサイトを開設する。2015年9月15日からこのプラットフォームはヴァーチャルな創造の場となり、ダンス、音楽、映画、写真などさまざまな分野の芸術家が作品を提示する」と述べた。 

150205pari03.jpg (C) 三光洋

これに続いてミルピエ・バレエ監督は
「バレエ芸術は音楽と密接に結びついている。新しい音楽がバレエを前進させてきた。新シーズンのプログラムはすべてのダンサーたちに役がいきわたるように考えて作品を選んだ。作品を演じることでオペラ座のダンサーが進歩できるように配慮されている。
デフィレの音楽をベルリオーズの『トロイアの人々』からセルジュ・リファールが当初考えたようにワグナーの『タンホイザー』に変更する。
ウイリアム・フォーサイスをレジデント振付家として招聘し、若手の振付家がフォーサイスから振付のノウハウを学ぶアカデミーを創設する」とそのプランを語った。

この後、ジャーナリストからいくつかの質問が出された。ミルピエ・バレエ監督は「フランス・ヌーヴェルダンスの振付家ドミニック・バグエの作品を2016年以降のシーズンで取り上げる。来シーズンから毎年フランスの地方公演を行う。2015 - 16シーズンにはブルターニュ地方のブレストで公演する。海外公演は2017年に日本、2018年にアメリカで行う」と語ったが、日本公演の演目は現在未定だという。また「日本滞在中に日本人のさまざまな分野の芸術家との交流を行い、将来のコラボレーションすることも模索している」と語った。

150205pari02.jpg (C) 三光洋

「アングロサクソンの振付家が目立ち、ドゥアト、エック、ベジャールの作品が取り上げられていない」という質問に対しては「新しい振付家を紹介することに重点を置いた。このプログラムによってオペラ座バレエ団のダンサーたちにより多くの機会が与えられ、やる気が常に出るようになる」と答えた。

記者会見に列席したアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマケイルは、2015年10月22日に初演される『弦楽四重奏曲第4番』『大フーガ』『浄夜』について、「作品によって違うテクニックが使用されます。音楽を始めて聞いたように感じられるような作品にしたい」と語った。またガルニエ宮やバスチーユ・オペラ以外でパリ・オペラ座バレエが上演する新しい企画に関して、「ポンピドーセンターで9日間、センターの開館時間の間ずっと『展示』される振付作品をジェラール・グリゼの音楽を使って実現したい」とも語った。

150205pari04.jpg (c) Elisa Haberer / Opéra national de Paris
150205pari05.jpg (C) Opéra national de Paris

2015-16シーズンのバレエプログラムは以下の通り。

新公演
☆シーズン開幕ガラ公演 
「デフイレ」、バンジャマン・ミルピエ振付の新作、バランシン振付『テーマとヴェリエーション』
(9月24日ガルニエ宮)

☆ボリス・シャルマッツ振付 『20世紀のための20人のダンサー』(レパートリー入り)
(9月25日プルミエ、10月11日まで、ガルニエ宮の公共空間を使用)

☆ジェローム・ロビンズ振付『作品19 ドリーマー』(レパートリー入り)、
ミルピエ振付の新作、バランシン振付『テーマとヴァリエーション』
(9月25日 プルミエ、10月11日まで、ガルニエ宮)

☆アンヌ・テレサ・ド・ケースマケール振付『弦楽四重奏曲第4番』『大フーガ』『浄夜』
(3作ともレパートリー入り)
(10月22日プルミエ、11月8日まで、ガルニエ宮)

☆クリストファー・ウィールドン振付『ポリフォニア』(レパートリー入り)、
ウエイン・マクレガー振付の新作、ピナ・バウシュ振付『春の祭典』
(12月3日プルミエ、12月31日まで、ガルニエ宮)

☆ジェローム・ベル振付の新作、ジェローム・ロビンズ振付『ゴールドベルク変奏曲』(レパートリー入り)
(2016年2月5日プルミエ、2月20日まで、ガルニエ宮)

☆チャイコフスキーの夕べ オペラ『イオランタ』、
バレエ シディ・ラルビ・シェルカウイ、エドゥアルド・ロック、バンジャマン・ミルピエ、アルチュール・ピタ、リアム・スカーレット振付『くるみ割り人形』(新公演)
(2016年3月9日プルミエ、4月1日まで、ガルニエ宮)

☆アレクセイ・ラトマンスキー振付『7つのソナタ』(レパートリー入り)、
ジョージ・バランシン振付『ダンス・コンセルタント』(レパートリー入り)、
ジェローム・ロビンズ振付『アザー・ダンシズ』、
ジュスティン・ペック振付『イン・クリーシズ』(レパートリー入り)
(2016年3月24日プルミエ、4月5日まで、ガルニエ宮)

☆マギー・マラン振付『拍手は食べられない』新作
(2016年4月25日プルミエ、5月3日まで、ガルニエ宮)

☆ジュンティン・ペック振付の新作、
ジョージ・バランシン振付のシェーンベルク編曲『ブラームス弦楽四重奏曲』(レパートリー入り)
(2016年7月2日プルミエ、7月15日まで、バスチーユ・オペラ)

☆ウイリアム・フォーサイス振付『アプロクシメート・ソナタ』(新版)、
新作、『Of Any If And』(レパートリー入り)
プルミエ 2016年7月4日、7月16日まで、ガルニエ宮)

レパートリー公演
☆ルドルフ・ヌレエフ振付『ラ・バヤデール』
(11月17日プルミエ、12月31日まで、バスチーユ・オペラ)

☆ルドルフ・ヌレエフ振付『ロメオとジュリエット』
(2016年3月19日プルミエ、4月16日まで、バスチーユ・オペラ)

☆パリ・オペラ座バレエ学校公演
デモンストレーション
(12月5、13、20日)
オーギュスト・ブルノンヴィル振付『コンセルヴァトワール』、ローラン・プティ振付『旅芸人』、ジョン・タラス振付『光のわな』
(4月14、16、17、18日)

☆ジャン・コラリ、ジュール・ペロ振付『ジゼル』
(2016年5月28日プルミエ、6月14日まで、ガルニエ宮)

招聘公演
☆バットシェバ・ダンス・カンパニー オハッド・ナハリン振付『Three』
(2016年1月5日プルミエ、1月9日まで、ガルニエ宮)

☆ロザース アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル振付『Work/Travail/Arbeid』
(プルミエ 2016年2月26日、3月6日まで、ポンピドー・センター、南ギャラリー)

☆イングリッシュ・ナショナル・バレエ アンナ・マリー・ホルムス振付『海賊』
(2016年6月21日プルミエ、6月25日まで、ガルニエ宮)

お詫び
文中の表記に誤りあり修正させていただきました。ご覧いただいた皆様、関係者の皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしました。謹んでお詫び申し上げます。
※修正箇所『眠れる森の美女』→『くるみ割り人形』、英国ロイヤル・バレエ団→イングリッシュ・ナショナル・バレエ、『木』→『Three』
(2015.2.6 / 2.16)