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[2007.05. 9]

日本のチアダンスを世界へ!!「Team ACUVUE」アメリカチャレンジ



*「TeamACUVUE」とは
日本チアダンス協会がプロデュースする日本初のプロチアダンスチーム。メンバーは毎年レベルの高いオーディションで選ばれる。
日本の「チアダンス」がいよいよ世界へ進出する。「ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニー」が協賛、「NTTドコモ」「チャコット」が協力する「全米選手権チャレンジプロジェクト」が昨年の秋頃から大々的にスタートした。 その目的地は「アメリカ・オーランド」。オーランドはフロリダ州の中心部に位置しており 「ユニバーサルスタジオフロリダ」や「ウォルトディズニーワールド」の2大テーマパークが連なるアメリカ屈指のリゾート地だ。特にディズニーワールドの総面積は110平方kmと東京の山手線で囲まれたエリア以上の広さで日本のテーマパークの何十倍ものスケールを誇る。
「Team ACYVUE」はユニバーサルスタジオ内にあるハードロックライブにて開催される「NDA NATIONAL DANCE CHAMPIONSHIP」にエントリーした。全米のビデオ審査を通過した320チームが参加する歴史と権威のある大会だ。

チアダンスの本場アメリカの大会は日本の大会とは比べ物にならないほどボリュームがある。朝8時から夜の10時!!までぶっ通しで演技と審査が行われ、休 憩時間やエキシビョンなどの無駄な時間はほとんど無い。そうでもしないと参加チームが多すぎて大会が終わらないのだ。会場の雰囲気は大会というよりもライ ブのような一体感があり、目の肥えた観客達はひいきチームのプラカードを掲げながら立ち上がって大声援を送る。もし退屈になれば外のユニバーサルスタジオ に遊びに出かけ、応援したいチームが登場する時間には再び会場にもどってくるのだ。ギャラリーは見たいチームを切り取って見に来るのでつねにアリーナの観 客は入れ替わる。そしてシンプルでテンポの良い進行はステージとギャラリーとの関係を新鮮に保ち、一定の緊張感で結びつける。この合理的なシステムは日本 の大会には無い魅力がある。

「高い目標を持ちたい」チームディレクター前田千代さん
2004 年の3月、「厚木高校 ダンスドリル部 IMPISHI」が日本人チームとしてはじめて全米王者になり大ニュースになったことはあまりにも有名だ。その後 「厚木高校 IMPISH」が何十回とニュースになり、その物語が出版され、ついにはドラマにまでなった。当時の厚木高校の指導者でチームを全米王者に導 いたのが、日本チアダンス協会の前田千代さんだった。
現 在の前田千代さんは日本チアダンス協会の代表理事、そして「Team ACUVUE」のチームディレクターを務めている。もし「Team ACUVUE」 が今回エントリーする一般部門で優勝すれば、日本人としては2004年「厚木高校」以来の優勝、そして一般部門では日本人として初めて優勝する快挙を成し 遂げることになる。 「Team ACUVUE」が今回参加する大会を主催する「NDA」は日本チアダンス協会と友好関係にあるため、毎年、日本のトップチームを「NDA」の 大会に推薦出場させているほど日米チアダンスの交流は盛んだ。しかしながら「日本のトップチーム」として意気揚々とアメリカに乗り込むが、本場アメリカの 厚い壁にことごとく玉砕しているのが実情だ。 “高い目標を持ちたい”前田千代さんが選んだ全米選手権、彼女が率いる「Team ACUVUE」が再び世界の最高峰を目指す。

日頃の感謝の気持ちをこめて「アメリカチャレンジ公開練習」


「Team ACUVUE」が日本を出発する日まであと10日に迫る。 渡米前、最後の日曜日は関係者を集めて「アメリカチャレンジ公開練習」が行われた。 衣裳も振り付けも直前に変更され、「日本」を感じさせる着物風の衣裳と振り付けにチェンジしていた。もちろん練習だけではなく本番のリハーサルも兼ねているので「通し」演技を3回ほど見ることもできた。
大技を連発しながらも、全員の振りがピッタリ揃っている、非の打ち所が無い演技だった。 本番で力を発揮できればトップを「独走」できると確信を持てるほど、チームのポテンシャルが最大限に引き出されていた。
「完璧な仕上がりだった、着物風の衣裳も最高だった!!」
選手のコンディションも良かった。おそらく体のコンディションはボロボロかもしれないが、心のコンディションの方が最高だった。選手一人一人の表情が充実しきっていて、顔色も良い。前田千代ディレクターの指導もいつになく絶好調だ。
「オーディションで選ばれた「プロ」としてのプライド」 「アメリカで踊れることの喜び」。 大人たちの心配は無用だった・・・安心して送り出すことが出来た。

打倒「TOP GUN」!!予選2位通過
ど んなスポーツの世界にも「常勝」と呼ばれるチームがある。全米選手権でも例外ではなく「TOP GUN」という男女混成最強チームが毎年のように優勝しているのだ。 アメリカの選手は体格を生かした「力強さ」を前面に押し出してくるのが最大の特徴で、さらにミュージカルを見るようなエンターテイメントとしても完成され た演技で多くのファンを満足させる。「Team ACUVUE」は情報が少ないアメリカのライバルを超えるため手探りで演技を完成させた。試行錯誤の連続 だがライバルの「TOP GUN」にとっても条件は同じ。彼らにとっても日本からやってくる「Team ACUVUE」がどんな演技を見せるのかほとんど分からないのだ。 「Team ACUVUE」VS「TOP GUN」。日米チアダンス頂上決戦はどのような結末を迎えるのだろうか?
3月3日17:26~「Team ACUVUE」がいよいよアメリカでデビューした。
「From TOKYO JAPAN!!Team ACUVUE!!」
「三味線」と「太鼓」の音をアレンジした「和」を感じさせる独特の音楽、日本を感じさせる「振袖」「着物」風の衣裳、スピード感あふれる軽快な演技はアメリカ人の「心に響いた」。そして多くの人々の脳裏にその姿を焼き付けたのだった。
「人種の違い」「衣裳の違い」「音楽の違い」「振り付けの違い」 前田千代さん渾身の振り付けはアメリカ人の目にどのように映ったのだろうか? 果たして多くの壁を超えられるのだろうか?

予選の結果が届いた・・・「1位」・・・ではなかった。「2位」だった。 なにはともあれ「全米2位」でも凄い結果に違いない、しかし「独走優勝」すると確信していただけにこの結果は「想定外」だった、やはりアメリカの壁は厚いのか?

アメリカが認めた!!スタンディングオベーション
全米選手権もいよいよクライマックスを迎える。本選は翌日の3月4日、場所を屋内のハードロックライブから屋外ステージに移して行われた。屋内よりもさらに多くのギャラリーを集め、ユニバーサルスタジオを訪れた人々すべてを「チアダンス」が巻き込んでいく。 「優勝することしかイメージはありません!!」大人たちの心配をよそに「Team ACUVUE」は前を向いていた、後ろを振り向いても何も生まれない。メンバー20名の強気すぎる視線はステージの真正面から大勢のギャラリーに注がれた。
異国から来た彼女たちにサポーターはいない・・はずだが?いや・・そんなものは必要なかった、実力でアメリカの観客を味方につけたのだ!!
地球の裏からはるばるやってきた「Team ACUVUE」。
「高い目標を持ちたい」前田千代さんが選んだアメリカの大会。 「高い目標」に選ばれたアメリカの選手達。 そんな彼女たちにアメリカは最高の敬意を示したのだ。

「心に響き渡る演技をして欲しい」と前田千代ディレクターは願っていた。その思いが「Team ACUVUE」とアメリカの観客一人一人に伝わったのだ。 アメリカの観客がその思いに大声援を送る、彼女たちはさらに演技に力を込めて大声援に応える。ほんの数分間で観客と選手が何度も会話を交わしていた。
彼らは目が肥えていた。 物事の正しい評価ができる国だった。 そんな国民に受け入れられた 。演技終了後は観客全員が「スタンディングオベーション」!!もう結果を見る必要もない。 「Team ACUVUE」文句なしの全米選手権完全勝利だ。

メジャーな舞台へ!NBA オーランドマジックVSミルウォーキーバックス戦に登場
全米制覇の余韻が冷めやらぬ3月5日、「Team ACUVUE」は地元オーランドのプロバスケットの公式戦に出演する。NBAといえばアメリカ4大スポーツのひとつで、テレビをつければ1日中バスケットの試合が流れているほどアメリカでの注目度は高い。

「Team ACUVUE」はNBAの公式戦でパフォーマンスを行う初めての日本人チームとなる。もちろん「全米王者」として「NBA TV」「Sun Sports」と2つのチャンネルで全米テレビ中継されるのだ。彼女たちのパフォーマンスは、「世界一のチーム」としてアメリカ全土にその姿が映し出され、大きな話題となった。大舞台で一躍「メジャー」の仲間入りを果たした。
こ こでも「三味線」と「太鼓」の音をアレンジした「和」を感じさせる独特の音楽、日本を感じさせる「振袖」「着物」風の衣裳、スピード感あふれる軽快な演技 はNBAファンの「心に響いた」。そして地元オーランドのファンとアメリカの多くの視聴者の脳裏にその姿を焼き付けたのだった。

彼女たちは大人が書き上げた極上のシナリオを見事に自分達の物にした。「初めて」の快挙は二度起こすことは出来ない。誰にも真似することの出来ない記録と感動を歴史に刻み込んだ。

実力者は再びアメリカを目指す「日本のチアダンスを世界へ」
「Team ACUVUE」の結果を受けて、日本のチアダンスの技術をアメリカが逆輸入することになった。 なんで本場のチアを日本が指導するのか? 大相撲をアメリカ人が教えに来るようなものだ。 日本には「しがらみ」がある、良いものが認められるとは限らない 。アメリカの良さが分かった気がする。良いものを評価する。良いものは受け入れる。 この違いを知ったとき人々はアメリカに夢中になる。 実力者がアメリカを目指す理由がここにあった、心地よい空気があった。 「Team ACUVUEアメリカチャレンジ」は大成功した。
「全米王者」はすでに次の大舞台を目指している。
*関係者を集めての優勝報告会、TVや雑誌等マスコミの取材も入る。