インタビュー&レポート

レポート: 最新の記事

レポート: 月別アーカイブ

関口 紘一
[2012.08.17]

E.マッキー&M.ラドメーカーが『オネーギン』について語ったトーク・ショー

9月末に東京バレエ団の『オネーギン』にタイトルロールとして出演するエヴァン・マッキーとレンスキーに扮するマライン・ラドメーカーが、チャコット渋谷本店を訪れ、トークショーとサイン会を行った。
金髪のラドメーカーとブラウンのマッキー、周知のようにともにシュッツットガルト・バレエ団のプリンシパルダンサーとして素晴らしい舞台を披露しているが、素顔は紳士的で至極まじめな印象。そして話始めると、やはりソフトで魅力的な声でたちまち会場を素敵なオーラで包みこんだ。話したいことがいっぱいで、とめどなく言葉が溢れてくるマッキー、一方ラドメーカーは言葉を選んで比較的ゆっくりと話す。

1208em_event01.jpg

韓国の公演から帰国してリハーサル中のマッキーのもとに「オーレリー・デュポンと踊りたくないか、できたらあと40分で出発してくれ」とパリ・オペラ座から電話がかかってきて、韓国から持ち帰った衣装のバッグをほどくヒマも、ゆっくり着替えるヒマもなく、シュツットガルトを出発してパリ・オペラ座で『オネーギン』を踊った話は、なんど聞いてもその姿が目に浮かぶようでおもしろい。
そしてクランコ作品とりわけ『オネーギン』の話になると二人ともに熱く語る。
それぞれのステップにも意味があり、ダンサーとして感情移入がドラマティックにできると、ラドメーカーはクランコ振付の演劇的な面を踊る喜びに触れる。マッキーは幼い時に見た『オネーギン』の舞台が自分の人生を決定づけた、この作品を観てバレエダンサーになろうという意識が芽生え、扉が開かれたと語る。
またマッキーは、今まで5人のタチヤーナと踊ったが、9月28日・30日に東京バレエ団と共演する『オネーギン』では、6人目となる吉岡美佳のタチヤーナと踊る。
「タチヤーナ役は難しい。今まで5人のタチヤーナと踊ってきたが、ロシア人役を演じても、それぞれの文化的な背景がおのずと現れてくるし、ステップもパートナー次第で変わってくることもある。だから今回、吉岡美佳と踊ることはほんとうに楽しみにしている。」と語った。
一方、同じ公演でレンスキー役を踊るラドメーカーは、「『オネーギン』では、レンスキーは親友同士でありながら、自身の名誉を守るために決闘する。この作品は、愛と嫉妬と言う感情を現代でもたいへん分かりやすく捉えられるので、自分の本当の気持ち演じることができる。とても期待している」と意欲的に語った。
クランコの名作『オネーギン』が初演されて、今日までレパートリーとして大切に上演されてきた、シュツットガルト・バレエ団のプリンシパル・ダンサーを迎えて上演されることは、日本のバレエにとっても素晴らしいこと。伝統を受けとめて発展させる東京バレエ団の今後にも大いに着目していきたい。

1208em_event02.jpg 1208em_event03.jpg

◎ジョン・クランコ振付『オネーギン』
音楽/ピョトール・I・チャイコフスキー
衣裳・美術/ユルゲン・ローゼ
タチヤーナ/吉岡美佳、オネーギン/エヴァン・マッキー、レンスキー/マライン・ラドメーカー、オリガ/小出領子、グレーミン/高岸直樹
9月28日、30日 東京文化会館
詳細は http://www.nbs.or.jp/stages/1209_onegin/schedule.html