渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe
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速報!
3月3日、パリ・オペラ座バスティーユで行われたヌレエフ版『ラ・バヤデール』の公演初日の終演後、ソロルを踊ったエルヴェ・モロー(28歳)が観客の前で、エトワールに任命された。怪我で降板したニコラ・ル・リッシュの代役だったが、オレリー・デュポンをパートナーに、初めてのソロル役に挑戦、伸びやかな踊りで、満場の喝采を浴びた。モローは、オペラ座でも数少ない貴重な若手ノーブルの一人で、ここ数年、エトワール候補として関係者の熱い視線を浴びてきた。この1年間は、昨年3月のノイマイヤー振付『シルヴィア』をはじめ6月のヌレエフ版『ロミオとジュリエット』、12月のヌレエフ版『白鳥の湖』等の大作の舞台で次々に主演。エトワール任命が待たれていた。とりわけジークフリート王子は、モローのロマンティックな資質に最も合ったもので出色の出来。オペラ座の公式サイトによれば、4月に行われる日本公演の『白鳥の湖』で王子を踊る予定で、正式発表が待たれる。
オペラ座では、3月半ばからガルニエで始まるキリアン、ラグア等の振付による現代作品の夕べに出演する。
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オペラ座が<フォーサイス・プロ>3作品を上演
パリ・オペラ座では、2月6日から16日までガルニエでフォーサイス振付の3作品を集めたプログラムが上演された。
最初の作品は、『アプロクシマット・ソナタ』(1996年)。当初予定されていた『ヘルマン・シュメルマン』に替わって上演されたもの。
音楽は、トム・ウィレムスとトリッキーの『パンプキン』。最初と最後に、ちょっとリハーサル風の風景を挟み、緊張を緩和している。4組のカップルによるデュエットが展開されるが、初日は、クレールマリ・オスタ&ジェレミー・ベランガール、イザベル・シアラヴォラ&マチュー・ガニオ、エレオノラ・アッバニャート&ジャン=フィリップ・デュリー、マリ=アニエス・ジロー&エルヴェ・モローで、9日は、オーレリア・ベレ&ステファン・ファヴォラン、アリス・ルナヴァン&ニコラ・ポール、ミュリエル・ジュスペレギー&アレッシオ・カルボーネ、ステファニー・ロンベルグ&ヴァンサン・シャイエという顔ぶれ。
『アプロクシマット・ソナタ』
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初日の4組は、それぞれのキャラクターの違いが顕著で、中でもベランガールの軟体動物のような特異な動きや、シアラヴォラ&ガニオのスレンダーな美しさ、ひときわ大柄なジローのダイナミックさなど、作品と言うより踊り手の個性が際立った印象を受けた。ただ、過去にオペラ座で初演されたフォーサイス作品と比べると、特にエトワール級のダンサーを必要とする作品かどうかという思いは残った。
フォーサイス作品としての均一なムードという点では、9日のキャストも面白かった。特に女性陣の張りと粘りの強い踊りは、確固とした芯が感じられてよかった。
2番目の『精密の不安定なスリル』(96年初演)は、99年にオペラ座のレパートリーに入ったもの。これもメンバーによって印象が随分異なるだろう。初日は、マリ=アニエス・ジロー、ノルウェン・ダニエル、メラニー・ユレル、カルボーネ、ファヴォランの5人だったが、大仰に鳴り響くシューベルトの『第九交響曲』の音楽に対して、スピードが完全についていかないなど、まだ試運転の感じ。昨年キーロフ・バレエがシャトレ座で上演した際のような痛快な印象は得られなかった。
9日は、ジローに替わってドロテ・ジルベールが入ったが、これだけで作品の質がかなり変わってしまったのには驚かされた。女性3人の中で、ジローが身長の上で、突出していたのに対し、この日は、3人の背丈が揃い、ジルベールのきびきびとした動きがひときわ光った。
『アーティファクト組曲』
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3本目の『アーティファクト組曲』は、全体で40分ほどの作品で、84年の『アーティファクト』を元に、2005年に改訂版が生まれたもの。2部構成のうち、第1部は、J・S・バッハの『シャコンヌ』に振り付けられた2組のソリストのためのパート。第2部は、エヴァ・クロスマン=ヘヒトによる『アーティファクト組曲』によるコール・ド・バレエのためのパート。
第1部のソリストは、初日は、アッバニャート&ペッシュ、オスタ&ベランガール、9日は、ジルベール&ガニオ、ロール・ミュレ&ジャン=フィリップ・デュリー。とりわけ後者の切れ味のよい動きが心地よい。
第1部で、ソリストを引き立てていただけの欲求不満のコール・ドは、第2部で大活躍。腕のスイングや手拍子、ぎくしゃくしたポール・ド・ブラといったシンプルな繰り返しで組み立てられているこの作品では、さながらバランシン、ロビンスのラインが見え隠れする現代の秀逸なコール・ド・バレエといってよく、ラストに向かって昂揚していく作りにフォーサイスの才気を感じさせた。
全体に若手の台頭がまばゆいプログラムだった。
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