『名だたる写真家達、細江英公、荒木経惟、上田義彦らさまざまなジャンルの写真家が求めてやまない、BUTOUという言葉を共通語に変えたその肉体』
日本固有のダンス・ジャンルとして舞踏(ぶとう)が歩んできた時間の中で、決して忘れてはならない存在。舞踏というジャンルを語る上で、土方 巽とともに常にそのルーツとしても語られ、90歳を超えてなお舞台に立った舞踊家として、大野一雄は一部の人間にはよく知られているかもしれません。今年大野一雄は100歳を迎えますが、これまでの彼の舞踏家の軌跡を称えつつ、多くの人にその存在を改めて紹介する機会として、大野一雄生誕100年祭が企画されました。この企画が47人もの写真家の参加を得た写真展である理由、それこそが大野一雄の存在を解き明かす秘密といえるかもしれません。
大野一雄はその年齢に刻まれた肉体ゆえに、またその言葉では語りつくせない溢れんばかりの身体表現ゆえに、世界中の多くの人々を魅了してきました。その中でも多くの、それも多彩なジャンルの写真家が、彼を被写体に写真を撮ってきたことをご存知でしょうか。
写真家にとっては、大野一雄の存在・魂のエネルギーそのものが彼らを表現へと大きく突き動かす「生きる表現の動機」ともいえるものでした。単なる舞踊家という被写体を超えて、自分自身の芸術表現の実現を最も引き出すコラボレーターであったこと、そして最も創造的な撮影の現場を産み出してきたことを何人もの写真家が語っています。
その証、その軌跡として、大野一雄の100歳を祝うため、47人の写真家が集い100点もの写真を一堂に展示。この稀有な舞踏家の存在とその魅力の真髄を、そして、彼を追った写真家達の衝撃と表現とを提示する写真展。それが「秘する肉体(からだ)」という写真展なのです。
http://kazuoohno-exhibition.com |

[ 大野一雄 ]
明治39年(1906)10月27日、函館に生まれる。
1960年代、日本の風土・精神に根ざした新しい文化としての舞踊表現「舞踏」がうまれた。お互いにその才能を認め合った先駆者・土方巽とともにオリジナリティー溢れる舞踏の世界を築いた。その大野が1980年74歳の時にフランス・ナンシー演劇祭で衝撃的な国際デビューをはたし、以後世界各地に招かれ公演を重ねた結果、「KAZUO OHNO」は舞台芸術のみならず世界の文学、音楽、視覚芸術などに影響を与えてきた。100歳になる今もなお、舞踏家として車いすから魂の踊りを発信している。 |