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関口 紘一 
[2011.05.20]

喝采鳴り止まぬ英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団チャリテイーの夜

3年ぶりに来日した英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の追加公演は、東京公演の初日となった。
海外アーティストの来日中止が相次ぐ中、新国立劇場の芸術監督でもあるデヴィッド・ビントレー率いる英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団は引っ越し公演を敢行。ダンサーやスタッフなど総計111名が5月10日に来日した。そして追加公演を組まなければならなくなるほどの人気を集め、東京初日の追加公演は東日本大震災 復興支援のチャリティー公演となった。これは震災後初めての大規模来日公演である。

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開幕前のロビーには、この日は出番のないツァオ・チー、佐久間奈緒、イアン・マッケイの3人のプリンシパル・ダンサーがそろって協力して義援金募金を呼びかけ、ダンサー直筆サイン入りカンパニーブックと舞台写真、さらにマリオン・デイトが着用した『真夏の夜の夢』の背中に妖精の羽が着いたタイターニアのかわいいチュチュがトルソに飾られ、投票によって誰でも参加できるオークションが設定されていた。ちなみにマリオン・テイトは95年までこのカンパニーでプリンシパルを務めた演劇的表現に優れたダンサーで、今回はバレエ・ミストレスとして来日。
最初の演目『ダフニスとクロエ』開幕の幕前に、3月11日には佐久間奈緒、ツァオ・チーとともに来日中で東京で震災の現実を体験したビントレー監督が登場して、この公演の収益の一部とロビーの売上はすべて日本赤十字を通じて被災地へ贈られる、と著しく進歩した日本語を交えて、直接、観客に伝え、大喝采はしばし鳴り止まなかった。
3人のプリンシパルは休憩中にも呼びかけてくれていたし、カンパニーブックや写真などは、早い時間で完売してしまった。価格も安かったし、こういう時には早めに購入してしまうのがファン度をあげるコツだ。

アシュトン振付の『真夏の夜の夢』の幕が下りると、再びビントレー監督が登壇。今公演にも数名参加しているそうだが、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の提携校となったエルムハースト・バレエ学校の生徒たちが心を込めて折った千羽鶴が、NBSの高橋典夫常務理事に手渡された。これは日本公演中は会場に飾られ、後に被災地に贈られる。カーテンコールの喝采も続いたが、終演後のロビー押すな押すなと熱気にあふれた。
それはつまり、オベロンに扮したセザール・モラレス、パックを踊ったアレクサンダー・キャンベル、ボトムを演じて楽しませてくれたロバート・パーカー、さらに妖精を踊った美しいダンサーたちが、舞台衣裳を着けたまま会場に姿を現し、募金を呼びかけ握手に応じてくれたから。
真夏の夜ならぬ、東京の春の夢の素晴らしい雰囲気の交流の輪が広がった、アラジンも驚く魔法の一夜だった。

1105brb02.jpg Photo:Kiyonori Hasegawa 1105brb03.jpg Photo:Kiyonori Hasegawa
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