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佐々木 三重子 
[2017.03. 7]

オペラ座&ロイヤル夢の共演<バレエ・スプリーム>について
パリ・オペラ座のダンサーたちが語った!

〈バレエ・スプリーム〉と銘打って、パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団による夢の共演がこの7月に実現する。おりしもオペラ座バレエ団が来演中とあって、4日のマチネ公演の直前、東京文化会館のロビーで、この公演に参加する6人のダンサーたちがプレス懇親会に臨んだ。3日夜の『ラ・シルフィード』の終演後、ジェイムズを踊ったユーゴ・マルシャンがオレリー・デュポン芸術監督からエトワールに任命されたホットなニュースも改めて報告された。

デュポン芸術監督は、このプロジェクトのオファーを受けた時、すぐさまイエスと答えたと言う。「ロイヤルとこの素晴らしい瞬間をシェアできるのは極めて意義のあること。日本の観客には、二つの異なるバレエの流派を見比べていただく良い機会になるでしょう。オペラ座からは美しいダンサーの見本のような人たちが参加しますし、私たちのバレエの伝統を代表するようなプログラムを選んだので、まさにフランスのバレエをご堪能いただけると思います。また、ロイヤルとの合同チームによる『ドン・キホーテ』と『眠れる森の美女』(両方ともディヴェルティスマン)では、お互いに様々な多様性をコラボすることになるので、そのような多様性もお楽しみいただけるでしょう」

デュポンはまず、隣に座っていたエトワール、マチアス・エイマンとミリアム・ウルド=ブラームを「スプリームなダンサーという定義を体現している」と紹介した。二人は『白鳥の湖』(ヌレエフ版)第2幕よりパ・ド・ドゥと、もう1作品踊る。
エイマンは「私もミリアムも世界のいろいろなガラ公演で踊りましたが、それはいわば個人参加。今回は二大バレエ団の共演というのがポイントです。ロイヤルはレパートリーもダンサーも特徴的なものを持っているので、ロイヤルから刺激を受けたり、外からの視線を受けたり、とても貴重な機会になると思う。オペラ座の中では、若い世代のエトワールと共演できるのも貴重な機会。ミリアムも私も中堅に近づいてきたので、若い人たちの助けになれればと願っています」。
ブラームは「この夏、この素晴らしいチームと日本に戻ってこられるのがとても嬉しい。パートナーとして敬愛しているマチアスや私が親しく思っているダンサーたちと日本で15日間過ごせること、日本の皆様に私たちの舞台をお見せできることを幸せに思います」と語った。

レオノール・ボラックとジェルマン・ルーヴェは、同じ舞台ではなかったが、昨年12月の『白鳥の湖』でエトワールに任命された新進。〈バレエ・スプリーム〉では、ヌレエフ版の『ロミオとジュリエット』よりパ・ド・ドゥと『白鳥の湖』第3幕よりパ・ド・トロワを踊る。二人とも、『白鳥の湖』はキャリアのシンボルとなった作品だけに思い入れが深く、それだけに大切にしたいという。
ルーヴェは「ヌレエフ振付の『白鳥の湖』はバレエ学校でも習う馴染みの作品ですし、マチアスやミリアム、そしてデュポンが踊るのも観てきた思い出の深い作品です」と付け加えた。パートナーとしてお互いどう感じているかを聞かれると、ボラックは「彼はよく注意を払ってくれる優しいパートナーで、良い友だちでもある。それに、とても美男。そういう意味でも、完璧なパートナーといえるでしょう」と微笑んだ。ルーヴェは「私も同じ言葉をレオノールに捧げたい。彼女は優雅で、生き生きとしていて、直感的なダンスもできる。パートナーとして私を物語の世界に誘導してもくれる。その意味でも、頼もしい人です」

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デュポンは二人の仲の良い様子を見て、誰と誰をペアにするかは慎重に判断して決めていると語った。「アーティスティックな面でもテクニカルな面でも、人間的な面でも、素晴らしい組み合わせでなければなりません。なぜなら、ひとたびペアを組むと、一つの作品のリハーサルに、2〜3週間の間、毎日2時間くらい一緒に取り組むことになります。その間、イライラもすれば、衝突することもあるでしょう。でも最終的に素晴らしい舞台にもっていく。そうすることのできるペアでなければね。特にツアーではこれがとても大切なことになります。パートナーは第2の家族のような役割を果たすことになるのですから。今回、私が選んだペアは、そうした点からも申し分ないと思います」

「素晴らしいダンサーで、ショーマンでもある」とデュポンに紹介されたのは、プルミエ・ダンスールのフランソワ・アリュ。〈スプリーム〉で踊る『レ・ブルジョワ』について、「ガラで何度も踊っていますし、個人的にとても好きな作品。“ショーマン”というのは、重要なメッセージを伝えられる、または人物を演じられるということで、そこは気に入っています。この作品の振りはクラシックでもコンテンポラリーでもありません。独特のジェスチャ-が求められるので、個性が発揮できるのではないかと思います。また、ロイヤルとの共演を通じて刺激を受け、自分がもっと成長できるのではないかと期待しています」

最後にマイクを渡されたのは、エトワールになってまだ1日のユーゴ・マルシャン。「昨日の夜に起きた出来事は、目覚めたまま見た夢のような感じです。自分のリアクションも、他の人のリアクションも、まだミステリアスな印象のようで…」と、まだ興奮冷めやらぬ様子。実際、「昨夜も、今も、感動しています」という。海外公演中にエトワールに任命した例は他にもあるが、日本では初めて。「一回しかないその瞬間を、日本のお客とシェアできたことは嬉しい限りです。フランスのバレエを世界に広める大使のような役割を担えるということに、非常な喜びを感じます。マチアスやミリアムのように、インスピレーションを与えられる存在というのが、私にとってのエトワール。同じタイトルになれたこと、これからエトワールとして踊り続けられることを、本当に嬉しく思います」
〈スプリーム〉で共演するオニール八菜は、プルミエール・ダンスーズだが、昨年ブノワ賞を受賞して脚光を浴びた注目の若手。今回の日本公演には参加していない。彼女については、「一緒にキャリアを築いてきた相手です。コリフェに昇格したのは同じタイミングで、国際的な賞も同じタイミングで受けてきました。そんな八菜と一緒に、オペラ座のバレエを国際的に広めていけることを嬉しく思います」。二人が踊るのは『エスメラルダ』と『グラン・パ・クラシック』の2作品だ。

以前、日本でボリショイ・バレエとマリインスキー・バレエというロシアの二大バレエ団が合同公演を行ったことがあるが、今回、オペラ座とロイヤルが共演することで特別な化学反応が起こることを期待しているかを問われて、デュポンは次のように答えた。
「その化学反応は、公演をご覧になれば体験していただけると思います。理想的な素晴らしいダンサーというのは、ボリショイ流やマリインスキー流、ロイヤル流、オペラ座流など、すべての流派をミックスして体現できるような人なのでしょうが、現実には不可能です。むしろ、ダンサーに求められる資質は、どんな状況にも順応できること。それも今回、試されるでしょう。なお、ダンサーにはロシア語とか英語、フランス語といった言葉の壁はありません。その意味からも、ロイヤルとオペラ座のコラボレーションは極めて素晴らしいものになると信じています」。なんとも明快な答えだった。

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オペラ座&ロイヤル夢の共演<バレエ・スプリーム>BALLET SUPREME

●予定される出演者
【パリ・オペラ座バレエ団】

レオノール・ボラック(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
マチアス・エイマン(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
ジェルマン・ルーヴェ(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
ミリアム・ウルド=ブラーム(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
フランソワ・アリュ(パリ・オペラ座バレエ団プルミエ・ダンスール)
ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ団プルミエ・ダンスール)
オニール八菜(パリ・オペラ座バレエ団プルミエール・ダンスーズ)

【英国ロイヤル・バレエ団】
スティーヴン・マックレー(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
フェデリコ・ボネッリ(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
フランチェスカ・ヘイワード(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
サラ・ラム(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
ヤーナ・サレンコ(英国ロイヤル・バレエ団ゲスト・アーティスト)
髙田茜(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
マルセリーノ・サンベ(英国ロイヤル・バレエ団ソリスト)
ベンジャミン・エラ(英国ロイヤル・バレエ団ファーストアーティスト)

●公演日程
Aプロ
 7月26日(水)18:30、7月27日(木)18:30
Bプロ 7月29日(土)13:00、7月29日(土)18:00、7月30日(日)14:00
●会 場:文京シビックホール

●S=¥19,000 A=¥17,000 B=¥15,000 C=¥12,000 D=¥9,000
●NBS WEBチケット先行発売[座席選択 S〜C] 3/21(火)21時〜3/27(月)18時
●一斉発売:4/8(土)10時〜

●チケットのお申し込み/お問い合わせ
NBSチケットセンター 03-3791-8888 (平日10:00〜18:00、土曜10:00〜13:00)

●主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会  後援:文京シビックホール(公益財団法人文京アカデミー)


▼詳しくはこちら
http://www.nbs.or.jp/stages/2017/supreme/