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関口 紘一 
[2013.06. 3]

今夏、最大の話題作マシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』
タイトルロールを踊るリチャード・ウィンザーと大貫勇輔がその意欲を語る

男性が純白の羽でできたチュチュを着けて踊る『白鳥の湖』で、世界を驚かせたマシュー・ボーンが、世紀末を彩った耽美小説の傑作『ドリアン・グレイの肖像』を鮮烈に現代に甦らせた『ドリアン・グレイ』。2008年にロンドンで初演されたこの舞台は、瞬く間にソールド・アウトして、マシュー・ボーンの新作への期待の大きさを知らしめた。
そしてその『ドリアン・グレイ』が、日本人とイギリスのオリジナル・キャストとの競演によって、日本の舞台に登場する。

去る5月22日、タイトルロールを踊るリチャード・ウィンザーと大貫勇輔、日英二人のダンサーが記者会見を行った。会場は、DDD 青山クロスシアター。二人のダンサーに花を添えるゲストはタレントの西川史子だった。

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まず、『DORIAN GRAY』のタイトルを背景にリチャード・ウィンザーと大貫勇輔が登場。会場には一般のファンの一部も呼ばれていたので、ざわめきと喝采の中で二人がコメントを語った。
スポーツマンのように端正だが、英国青年の独特のセクシーな雰囲気も漂わせているウィンザーは、『ドリアン・グレイ』について。
「文化の異なるところでこの作品を演じ踊ることに責任を感じている。マシュー・ボーンの作品は、誰にでも理解し易い物語性があって観客の心に響くもの。私はクラシック・バレエも好きだが、マシュー作品は登場人物の心理にの深奥に迫るもので,いつも役者としてダンサーとして、素晴らしい題材が与えられるのでやりがいがある。」
「オスカー・ワイルドの19世紀末の小説を現代に設定してダンスにする際、初演の2008年当時は、セレブリティがたいへん話題となった。ベッカムといったような人々がアイドル化され、人気が急上昇してまた急降下する、そう言う事象も参考にして描いている。この作品は私にとっても大きな挑戦だった。特に注意を払ったのはいかにセクシーと感じさせるか、男性同士のラヴシーンをどのように作るかということ。大きな男性同士が絡み合うと、まるで戦いを繰り広げてようにも見えてしまうので、男女どちらの性から見てもロマンティックでセクシーに見えるように心がけた。
「原作のヘンリー・ウォットン卿をこの作品では、女性のレディHという役に変えている。これは『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープを参考にしてイメージしている。」
自身を美しいと思っているか、と聞かれて
「私自身は、役に入るために自分自身を美しいと思い込もうとしている。マシューが私を美しい、と思ってくれたのだから。ドリアン・グレイは見た目には美しいが情緒が不安定だったり、他人を支配することに取り憑かれていたりして、結果的に美しくない人になってしまっている。
ドリアンは舞台や小説の中では美しく天使のように描かれていて、周りの人々が惹き付けられるような人物。だからダンスの中でも彼の美しさを強調すると同時に、その傲慢さも表現しなければならないと思っている。」と語った。
 

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一方、この舞台のオーディションの話を聞いて、一人でイギリスに行き、マシュー・ボーンの前で踊り、見事、大役を獲得した大貫勇輔は
「初めてマシュー・ボーンの舞台を観たのは2010年、隣に居るリチャード・ウィンザーが踊った『白鳥のの湖』だった。リチャードの大きな存在感に感心した。そしてオーディションの時には一緒に踊ってもらったのだが、第一印象は”大きいな”と思ったこと。同じ役をやらせいただく場合でも、自分は日本人としても大きなほうだけど小さく感じられたので・・・」
ドリアン・グレイを演じるにあたっては
「マシュー・ボーン作品はワイルドでセクシー。物語があるけれど言葉は使わない。ドリアン・グレイという人物はどんどん変化していくので、それをどう表現するか、真剣に考えている。僕自身は楽観的でポジティヴで明るいほうだから、ドリアンと共通するものはないように思うけれど、自分の中に密かに眠っているものを掘り起こしつつ演じられたらいいと思う」と語る。
二人の魅力的な男性ダンサーが、ドリアン・グレイというジェットコースターのような激しい浮き沈みを生きた興味深い人物を、どのように踊りどのように魅せるのか、今夏、最大の楽しみである。

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マシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』

●7/11(木)〜15(月・祝)
●Bunkamura オーチャードホール
●原作=オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」、翻案・演出・振付=マシュー・ボーン
●出演=
[ドリアン・グレイ](Wキャスト)大貫勇輔(JP)/リチャード・ウィンザー (UK)
[バジル・ホールワード](Wキャスト)ジョナサン・オリヴィエ(UK)/JPキャスト後日発表
[レディH]皆川まゆむ
[シリル・ヴェイン]大野幸人
[ドッペルゲンガー(Wキャスト)]丘山晴己(JP)/アダム・マスケル(UK)

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