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関口 紘一 
[2010.12. 7]

精力的な活動で世界に名を轟かせるマエストロ、ゲルギエフは語る

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マリインスキー劇場の芸術監督および総裁、首席指揮者ワレリー・ゲルギエフが、11月30日、マリインスキー・オペラの日本公演のために記者会見を日比谷の帝国ホテルで行った。
マリインスキー・オペラの来日公演の紹介ではあるが、その一挙手一投足に世界中が注目を集めるマエストロの生の声を聞き、この劇場やバレエに関する動向を拾おうと思って参加した。
マリインスキー・オペラは1993年以来、既に6回の来日公演を行っており、ゲルギエフ自身は20回以上も来日している。今回も首席指揮者を務めるロンドン交響楽団のために来日しており、そちらの公演に関する記者会見を先日行ったばかりで、自身が率いるオペラのために短時日の来日中に2回目の記者会見を開いた。

まずは来日公演演目であるR.シュトラウスの『影のない女』が如何に傑作であるか、プッチーニの『トゥーランドット』のアルファーノ版をできる限り完全上演したいことなどを語る。
そして、彼が初めて当時キーロフと呼ばれていたこの劇場で指揮した時は、指揮棒を振りまくって歌手の声を生かす指揮ができなかったが、今は手の振り方は小さくなったが、その代わりにプッチーニへの愛情は大きくなったと軽いユーモアも交える。また、昨年カーネギーホールでカットなしで上演したベルリオーズの超大作『トロイアの人々』(コンサート形式)は、東京でも完全版を上演したいなど、音楽へのオペラへの情熱の迸るまま、日本の観客へ向けての熱いメッセージが続いた。
さらにオペラ公演以外の活動では、マリインスキー・レーベルで収録をおこなっているCDについて、ショスタコーヴィチ全曲の録音を完成、ワグナーの『リング』やロシア・オペラもまとめていこうと考えているそうだ。またロストロポーヴィチの後を継いでチャイコフスキー国際コンクールの組織委員会委員長を受け持つことになったこと。そしてマリインスキーの新しい劇場のオープンについては、今の予定では2012年の白夜祭(毎夏に開催)を目指しているという。いったいどんなオープニング公演が企画されるのだろうか、今から胸がどきどきするようだ。
1988年に35歳の若さで芸術監督に就任してから22年間を振り返って、マリインスキー劇場をどう思うかときかれると、「チケットセールスは20年間で40〜50倍になったと思う」といい「オーケストラや合唱を含む音楽やダンスのアーティスト、美術、照明などのスタッフすべてが世界で最も強い劇場のひとつになったし、この20年間の飛躍的発展は世界のどこの劇場も成し得なかったことだと思う」と胸を張った。

最後にまた来日公演で上演する『影のない女』に戻って、この現実と天上界が共存する作品を作るために、イギリスから演出のジョナサン・ケントと舞台美術のポール・ブラウンを呼び、良い舞台ができた。日本公演の後はエジンバラ・フェスティバルにもっと行く予定だとも語っていた。
そしてじつは、このジョナサン・ケントは、来年3月に藤原紀香、西城秀樹、田代万里生の主演で再演されるミュージカル『マルグリット』の演出家でもある。たまたま同じ日に、目と鼻の先のザ・ペニンシュラ東京でその記者会見が行われていたので、次にレポートする。