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関口 紘一 
[2009.09.30]

グランシップのオペラ『椿姫』は鈴木忠志演出、振付は金森穣

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静岡のアーツセンター、グランシップの開館10周年を記して、SPAC(静岡県舞台芸術センター)と静岡県文化財団はヴェルディのオペラ『椿姫』を共同制作して上演する。静岡県では3年に一度、オペラ・コンクールが開催されているが、今回はオペラを自主制作するという試みに挑戦することになる。
演出はSPACの前芸術総監督、鈴木忠志、飯森範親指揮による東京フィルハーモニー交響楽団、中丸三千繪(ソプラノ、ヴィオレッタ)、佐野成宏(テノール、アルフレード)、堀内康雄(バリトン、ジェルモン)というキャスト。そして、ダンスシーンは金森穣が振付け、Noism 1が踊る。

『椿姫』と言えば、華やかなパリの社交界が主な舞台だが、鈴木演出ではマフィアが支配するクラブで物語が進行する。「若い作曲家(ヴェルディ)がマフィアに身を置く美しい女性に恋をして、店の一角で恋の物語」を作曲していく・・・といった展開になるそうだ。
さる9月25日、東京プレスセンターで記者会見が開かれ、出席した中丸三千繪は「構想は、今、初めて聞いた」が新演出に意欲をみせた。指揮の飯森範親はかつてドイツで指揮したことはあるが、ヴェルディの人生にも思いを馳せ、「ノーカット」で演奏したいという。
鈴木は、今までもオペラの演出は試みているが、どうしても規模が大きく数多くのスタッフが関わるので煩雑になって、結局、妥協の産物になる恐れがある。しかし『椿姫』は登場人物も少ないので、「歌がうまいだけではなく魅力的」に描いていきたいと力をこめた。ダンスシーンを振付ける金森については、「彼とは身体に対する考え方が同じ」で、演出的にも重要な要素となる、と語った。
それからこの『椿姫』が初演される磯崎新が設計したグランシップの中ホール・大地は、背中合わせにある静岡芸術劇場とを隔てる扉を開けると、二つの劇場がひとつの劇場空間に変貌するという。今回の上演では、初めてその扉が開かれ数十メートルに及ぶ奥行きを活かした演出が行われる。鈴木は「馬を走らせることもできる」と言うが、もちろん、そのスペクラクルの全貌はあきらかにされていない。
演劇界で名を馳せている鈴木忠志が意欲的に取り組む、オペラ『椿姫』の自主制作、12月11日に幕が開く。

(2009年12月11日、13日 静岡グランシップ中ホール・大地)