[2005.03.11]

ジャズダンス界の巨匠、ルイジ・ファチュート氏が今年で80歳に

 2005年3月21日、ジャズダンス界の巨匠ルイジ・ファチュート氏が80回目の誕生日を迎えます。

ライザ・ミネリ、トワイラ・シャープ、アルビン・エイリーなどの、映画、舞台で活躍した有名な方々や、アン・ライキング、スーザン・ドローマン(オール・ ザット・ジャズや、映画「アニー」の秘書役などで有名)などの現代のトニー賞女優をはじめとする、数々の有名なブロードウエイの俳優、女優を精力的に育て てきたルイジ・ファチュート氏は、現在でもルイジ・ジャズ・センターのスタジオにおいてジャズダンスの教授を行っています。プロを志す人々が必ず一度は訪 れるという、名実共に世界のジャズダンス王。2000年9月 米国振付家大賞において、ベスト教育者賞を受賞しています。

氏は悲惨な下半身不随になる交通事故を経験し、独自のリハビリ・ストレッチを考案し、その、テクニックはルイジテクニックともよばれ、世界中の人々に愛されています。
事実、2000年に来日の際にチャコットカルチャースタジオで行った氏のレッスンには定員の3倍の申し込みが殺到しました。


以前にチャコットのホームページにて掲載していた2000年来日の際に行ったインタビューの内容をご紹介します。

■2度目の来日(2000年の来日)

前回の来日は18年前の1982年。だから、今回また来日できて本当にうれしいよ。(チャコットカルチャー渋谷スタジオで行われた)今日のクラスは、生徒 がみんな、エキサイトしていて、楽しかったよ。でも今回のレッスンにもっとたくさんの生徒さんが申し込んでいたそうで、本当にうれしい。もっとたくさん レッスンをもうけられたら良かったね。申し訳ないことをしたよ。日本で、今日何人かの、私が教えた教師や、それぞれの生徒にまた再会することが出来、彼ら が誠実に教えを伝えているので、すごく感謝しているよ。

■MGMデビュー

私の名前はジーン・ケリーがつけたんだ。私は日本人ダンサーであるイトウ・ミチオ氏にバレエを師事していた。彼からおそわったったエクササイズを、事故 後、半身不随で寝ていたベットの中で続けていた。そのおかげで退院後すぐ私はMGMで仕事をえることが出来た。そのスタジオで、ジーン・ケリーが私の顔を 見たんだ。「あの青年の顔はどうしたんだ?」ジーン・ケリーの質問に「ああ、彼は事故でつい最近まで入院していたんだよ。」と一人のスタッフが答えた。そ こで、ジーン・ケリーは私を呼び、私は彼の前でいくつかのムーヴメントを披露した。かれは、「ノー。ノー、顔を正面に残して動きなさい」と私にアドバイス をした。これは、今のルイジ・メソッドでも、重要なポイントになっている。有名な俳優の動き(ムーヴメント)思い出してごらん。立っているだけで、彼らの オーラが出ているようだろう。顔を前に残すことで、姿勢だけで、ただ立っているだけで、スターとしての風格を彼らは持っていたんだ。そして、そのときジー ン・ケリーは私の名前を聞き、「これから君をルイジと呼ぶことにするよ」といった。そこから、私はルイジとして知られるようになったんだ。

■MGMでの役柄

たくさんの私の生徒がMGMで私の振り付けで踊っていたとしても、私は別に生徒とともに映画の中で、スターの後ろで群舞のひとりとして踊ることを苦と思っ ていないんだ。むしろ喜んでいる。「ホワイトクリスマス」(ビング・クロスビーの名作映画)でも、たくさんの生徒とともに出演しているよ。

■ニューヨークのスタジオ

今は以前のところから引っ越して、少々規模が小さくなっているが、ルイジ・ジャズセンターとしてたくさんのブロードウエイなどの、シンガー、ダンサー達、 そして、世界中のいろいろなレベルの人々が集まっている。もちろんみんな私の事故のことを知っているので、いろんなハンディキャップを持っている人達も集 まってくるんだ。

■教えるいうこと

私がいつも教師達に言っていることはこれ。「たとえ初心者クラスの生徒でも、一人一人をプロフェッショナルのスターとして教えなさい。」今年、トニー賞を 受賞した、スーザン・ドローマンが、初めて田舎からでてきて私の初級クラスを受けに来た時、私はその当時まだ無名の生徒を見て、「君は将来スターになる よ。」といったんだ。彼女は「そんな・・・」と謙遜していたけど、今やブロードウエイの大スターとなった。初めてダンスを習うときから教師はその生徒にエ ンターティメントとしての立ち振る舞いを教えることが大切なんだ。まだ難しいステップを踏めないとか、グラン・ジュッテをうまく飛べないとか、そんなこと はレッスンするうちに出来るようになる。大切なことは、一人一人を「スター」として品性や、ダンスの魂を教え続けることだ。

■大切な言葉

ダンスをする上で必要なことは、自分自身を踊ること。「ダンスとは、自分の手を胸に当てて、魂の鼓動を聞くこと」そして、「ダンスとは、体のそれぞれの部 分が様々な楽器となり、そのそれぞれの楽器がすばらしいハーモニーを奏でること」私は体に正直に動かしているだけ。ダンスをすることは、力をもって体に命 令を与えて動かすことではない。正しいポジションに体を動かしてあげることが大切。まねをすることじゃない。ダンスすることは自分の魂に正直になる事なん だ。

■なぜ今でも教えているのか。

私を見てどんな人でも不可能はないと思ってほしい。「ルイジだから出来る」ではなく、「ルイジにも出来るんだから自分にも出来る」と思ってほしい。私の体 だって決して完璧じゃない。(・・と眼鏡をはずして)目だって均等じゃない。体だって、私が事故に合ったことや、半身不随になった事はみんなが知っている ことだ。だから、たとえ、目が見えなくても、手足が自由に動かなくとも、誰でも私のクラスに来てもらっている。だから、私の体が動く限り、希望を与えたい し、そして、私を見ることで私からダンスを学んだ教師達と、生徒達のあいだの潤滑油にもなっていきたい。だから、教え続けるんだ。

■チャコットの製品「ルイジ」ブランドについて

チャコットが作っている商品「ルイジブランド」についても、すばらしい商品を作り続けていることを感謝している。まず、チャコットのこれらの商品のクオリ ティを保持し続けている事はすばらしいと思っている。もっともっとこのすばらしい商品が日本だけじゃなく世界にも広まればいいね。

■ムービー

いまね、私の教室やエクササイズなどを、映画にしてもらえないかなあと思っているところだ。今ブロードウエイでミュージカルにしようという動きがあって ね。カーメル・オーエンという女性が制作していて、そろそろ準備が終わるところ。そのミュージカルのタイトルは「ネバー・ストップ・ムービング」。私の人 生を語ったミュージカルになる。でももし、映画だったら、MGMのスターと競演してきたし、興味深い楽しい物になると思うんだ。チャコットのCMにもなる と思うしね。
2000年インタビューより