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[2006.03.10]

ベルリン国立バレエ団芸術監督 ウラジミール・マラーホフ氏トークショー

2月20日(月)、人気の『マラーホフの贈り物』を記念して、来日中のウラジミール・マラーホフ氏をゲストにトークショーが行われました。(聞き役を務めてくださったのは、女性誌『ヴァンテーヌ』編集長の粕井牧子さん)

笑顔でゆっくりと会場に現れたマラーホフ氏。
歩いてというより、余計な力が加わっていない肢体が水平移動されてきたみたい。待っていたファンの前で立ち止まると、会場がため息で包まれました。
小さなお顔に、すらりとまっすぐ伸びた細く長い脚。手を前で組み、日本人よりも奥ゆかしさを感じさせる、淑やかなたたずまい。そして、はにかみスマイル!  お話は、今回初お披露目となる新演出の『眠れる森の美女』や『マラーホフの贈り物』から芸術監督としての立場や視点、それからご自身の健康管理について まで、今のマラーホフさんについて多岐にわたりました。

---まさに薔薇づくしだったマラーホフ版「眠り」については?
とにかく新しいものにしたかった。自然が好きだから、自然に囲まれたステージにしたかった。特に妖精たちはオーロラをサポートする大切な役だから常に彼女の周りにいるようにしたんだ。

---愛に満ちあふれた「贈り物」について
できることなら毎年やりたいです。出来る限り日本でお見せしていない作品を取り上げたいのですが、今回は新プロダクションの「眠り」もあったので、稽古時間とのかねあいで以前上演したものも含まれています。でも、二回見ても楽しんでいただけると思ってます。

---好きな役は?
「ジゼル」のアルブレヒトは好きな役のなかのひとつで、今練習している役ということもあって今は一番好き。そのとき練習している役に没頭してますから、どれが一番!とは決められません。

---芸術監督、振付家、教師、そしてダンサーとしてお忙しくないですか? 健康管理は?
確かに忙しいです。就任当初はあまりに忙しすぎて無理だと思った時期もありましたが、現在は調整できるようになりました。僕はぼーっと空を眺めているより、常に忙しい方が楽しいんだ!
(どこで何を踊るか、世界のカンパニーどこをベルリンへ呼んでくるかなど、調整することが多そうで本当に大変そうです!)
健康管理は特に意識していません。もうずっと練習して踊ってという生活で、この身体ですから(!)。ただゲスト出演は控え、選んでます。練習せずに最長2週間休むことはできるかな?
(うーん...自分と比べちゃいけませんが、やっぱりプロですね!)

---何度かカラボスという役をされてますが、お好きですか?
楽しいですよね。でもまだ僕は王子ができるからそれほどやりません!もっと歳をとったときは沢山やると思いますが(笑)。

---踊っているときはどんな気分?
見に来てくださっているお客様に魔法をかけることに集中しています。お客様がその役の感情を体感するように、自分も役としての感情を味わいます。劇場に 見に来てくださって非日常空間を味わってリフレッシュしてくださるように、僕も踊ることでリフレッシュできるんです。たとえ、家で大事件が起きていても舞 台に立ったら忘れちゃうんです。

---新しい才能を見つけるご苦労は?
50年に1度だろうと思うくらい、良いダンサーを探すのは大変です。でも団員にはできるだけチャンスを与えたり、神経を張り巡らせて才能を発掘する努力をしています。

次の世界バレエフェスティバルは何するのでしょうか?という質問には、とちょっとおどけた表情で、心を弾ませながら一言。
「Something new!!!」
日本のお客様には、「見に来ていただいて、僕のステージを通して幸せになってほしい。夢を与えたい」。
終始穏やかな口調で丁寧に質問に答えてくれるマラーホフさんは、お茶目でサービス精神の旺盛な方でした。いつまでも、「何か新しいもの」で私たちをびっくり、そして楽しませてください! これからもマラーホフさんに舞踊の神様のご加護がありますように...。
(文葉)