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文・撮影/アンジェラ加瀬
[2012.10.29]

速報!新国立劇場開場『シルヴィア』、バーミンガムの佐久間、ツァオ・チー、厚地リハーサル・レポート

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10月初め、バーミンガム・ロイヤル・バレエ(BRB)は、本拠地ヒポドローム劇場で『白鳥の湖』を上演。9月19日のサルフォード市ローリー劇場でのシーズン初日の公演に続いて、10月2日にヒポドローム劇場の初日を任されたのはバレエ団のスター佐久間奈緒とツァオ・チーであった。
シーズン開幕直後から『白鳥の湖』全幕と小品集の『グロス・フューグ』出演で忙しい2人はまた、新国立劇場開場15周年記念作品『シルヴィア』客演に向けてビントレー指導の下、スタジオ・リハーサルを行っていた。
10月1日には2人の主演日に伯爵オライオン役を踊る予定の厚地康雄が古巣のバーミンガムに戻り、3日から佐久間とリハーサルを始めた。
10月4日(木)は15時30分〜16時30分まで佐久間とツァオによるパ・ド・ドゥとソロのスタジオ・リハーサルが、16時45分〜17時30分までは佐久間と厚地による「オライオンに誘拐されたシルヴィア」の場面のリハーサルが行われていた。

当日スタジオに集まったダンサー3人。チャコットの商品部にお友達をお持ちの佐久間さん、当日のウェアはチャコットの物でした。

まず佐久間とツァオによるリハーサルを見学させて頂く。2009年改訂版はこの2人の主演のために振付に大幅な変更が加えられている。超絶技巧とBRBが世界に誇るパートナーシップで知られる佐久間とツァオは、3年ぶりのリハーサルにもかかわらずソロやパ・ド・ドゥの振付を良く覚えており、あうんの呼吸のパ・ド・ドゥも含めてビントレーからのダメ出しはほとんどない。

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時々ビントレーが立ち上がって『シルヴィア』の特徴的なポーズの数々を確認する程度。リハーサルはスムーズに進んでいく。

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 この作品の3幕のパ・ド・ドゥは主演男女がスター性と技巧を奮う最大の見所。佐久間とツァオによる白熱したリハーサルは、私にかつてグルジアでアナニアシヴィリとウヴァーロフによる『ドン・キホーテ』のスタジオ・リハーサルを撮影した時を思い出させる程、たいへんレベルの高かった。この2人による客演は日本のバレエ・ファンを大いに喜ばせるさせるに違いない。

ビントレーと伴奏ピアニストの男性が15分休憩を取ってスタジオの外に出たのと入れ替わりに、厚地康雄がスタジオに入ってきた。舞踊芸術監督ビントレーの意向でBRBから新国立劇場に移籍して以来、古典の貴公子から『白鳥の湖』の悪魔ロットバルト、エイフマンの『アンナ・カレーニナ』の青年将校ヴロンスキー役など、数々の大役に取り組み、ダンサーとして成長著しい。
09年の改訂版イギリス初演時は、パーティの男性客やエロスが変身した海賊の仲間の1人を踊っていたのだが、今回の『シルヴィア』日本初演にあたっては伯爵オライオン役に抜擢された。
ビントレーはこの役に初めて挑む厚地に対しては、各場面でのオライオンの感情についてのヒントや、シルヴィア役の佐久間に対する難解なリフトやパートナーリングのコツにいたるまで丁寧に指導にあたっていた。

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ダンサー3人はこの後10月中旬に日本に飛び、新国立劇場バレエのダンサーとリハーサルを続けている。初日も秒読みとなった今は、日本のお客様の前で踊る日に思いを馳せ、心躍らせているに違いない。
日本初演の初日をつとめる小野と福岡、2日目に踊る米沢と菅野、客演の佐久間とツァオ、3組それぞれがオペラパレスで紡ぐドラマの数々に期待したい。

※公演の詳細はこちら