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関口 紘一
[2015.06.24]

吉田都と堀内元が大いに語り合った「Ballet for the Future」トークイベント

超一流と言われるバレエ団のプリンシパル・ダンサーとして国際的な舞台で主役を踊りつづける、ということは、どれほど困難でどれほどの努力と才能が必要なのだろうか?

150606bftf02.jpg (C) DANCE CUBE by Chacott

バレエをこれから始めようとする人、バレエの難しさに直面している人、プロフェッショナルのバレエダンサーとなってこれから活躍しようと意気込んでいる人、そうした人たちと多くのバレエファンが、そんな疑問を心中に抱えながらレッスンに励んだり、舞台を見つめているのではないだろうか。
そうした問い掛けに答えようと試みるトークイベントが、チャコットのダンス・キューブ 勝どきスタジオで開催された。これは吉田都と堀内元が中心となって、ゲストに加治屋百合子とジャレット・マシューズを迎えて踊る「Ballet for the Future」公演に先駆けたイベントだった。

まず、吉田都と堀内元がスタジオに設えられたレッドカーペットの上に姿を現して拍手を浴びた。
言うまでもないが、吉田都は英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルを務め、2010年に退団しロンドンと東京で行ったさよなら公演で大いに喝采を浴びた。堀内元はバランシンに認められてニュ−ヨーク・シティ・バレエに入団し、プリンシパル・ダンサーとして活躍、現在はセントルイス・バレエの芸術監督の任にある。
この世界で活躍した二人の日本人バレエダンサーは、20世紀の偉大なマエストロと出会い、その才能を見事に開花させた。
吉田都は「先日もロンドンでお目に掛かってきました。89歳になられましたが未だ現役でお仕事をなさっています」という、振付・演出家でディレクターのピーター・ライト。「彼との出会いがなければ、今日の私はなかったでしょう」という貴重な出会いだった。

150606bftf01.jpg (C) DANCE CUBE by Chacott

堀内元は、ベジャール、プティなど20世紀の舞踊家ほとんどすべての人たちから尊敬されていた巨匠バランシンが抜擢した最後のダンサー。「晩年のバランシンの病床を見舞って」励まされたこと、晩年の出会いだったために必死の想いでバランシン作品と取り組んだことなど、貴重な思い出が語られた。
吉田都は、サドラーズウエルズ・ロイヤル・バレ団(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)に入団してプリンシパルとなり、後に英国ロイヤル・バレエ団にプリンシパルとして移籍して踊る、というどちらかといえば比較的ゆっくりとした軌道を描いて活動してきた。一方、堀内元はSAB(スクール・オブ・アメリカン・バレエ)時代に、NYCB公演に大抜擢された。
ふたりはほぼ同世代で、日本国内のコンクールに出場する時も意識し合っていたそうだ。そうした中で、吉田は堀内の海外バレエ団に目を向けた、しっかりした目標を持っている意識の高さに感心していた。堀内はまた、吉田をセントルイス・バレエに招聘してともに踊った時、その練習熱心さに舌を撒いた。「吉田都さんは、他の人の3倍練習します!!」と声を大にして語っていたのが印象的。

大いに語り合った二人だが、やはり、そのアーティストとしての偉大なキャリアから得たものが含蓄されていて、発言のひとつひとつがたいへん興味深かった。そして、その行き着く先は「バレエに近道なし」という常識的でありながらじつは奥深い認識に至っていた。

150606bftf03.jpg (C) DANCE CUBE by Chacott

吉田都×堀内元『Ballet for the Future』

150606bftf04.jpg (C) DANCE CUBE by Chacott

●特別ゲスト=吉田都
(元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
●芸術監督・出演=堀内元
(セントルイス・バレエ芸術監督、元ニューヨーク・シティ・バレエプリンシパル)
●ゲスト=加治屋百合子
(ヒューストン・バレエプリンシパル)
ジャレッド・マシューズ
(ヒューストン・バレエファーストソリスト)
●出演=飯島望未(ヒューストン・バレエソリスト/森ティファニー(セントルイス・バレエ)/岡田兼宜、上村崇人(セントルイス・バレエ)/末原雅広、他(50音順)

<金沢>
●8/25(火) 開演時間=18:30
●本多の森ホール(石川・金沢)
<東京>
●8/27(木) 開演時間=18:30
●ゆうぽうとホール(東京・五反田)

詳細はこちら http://www.chacott-jp.com/magazine/information/stageinfo1/ballet-for-the-future-1.html