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関口 紘一
[2013.08.28]

ABTソリスト、加治屋百合子トーク&サイン会が開催された

1308yuriko_kajiya01.jpg Photo/Kazunori Hataguchi

2014年2月に来日するアメリカン・バレエ・シアター(ABT)の唯一の日本人ソリスト、加治屋百合子が来日、チャコット渋谷本店でトーク&サイン会を行った。

加治屋は上海バレエ学校から中国代表としてローザンヌ国際バレエコンクールに参加し、スカラシップを受賞してカナダ・ナショナル・バレエ・スクールに留学(その時の審査員の一人にケヴィン・マッケンジーがいた)。卒業後、ABTに入団し、07年にソリストに昇進した。昨シーズンは『オネーギン』『コルサリエ』『ジゼル』で主役を踊った。来年のABTの来日公演では『くるみ割り人形』主役とオール・スター・ガラで『海賊』よりパ・ド・ドゥを踊る予定。

チャコット渋谷本店4階のフロアーに集ったバレエ・ファンの目前に、スリムな身体にチャーミングな笑顔の加治屋百合子が登場した。まず、それぞれの想いをこめて、本日の主役と短く言葉を交わしながらサイン会が行われた。

そしてトークショーでは、まず、ローザンヌ・ガラ2013でABTのソリスト、ジャレット・マシューズと踊る『ジゼル』第2幕よりパ・ド・ドゥについて。
「『ジゼル』の精霊の踊りでは、踊りの中にアルブレヒトへの想いを込めて踊りたいと思います」

上海バレエ学校からニュ−ヨークで踊ることについて。
「上海バレエ学校時代は、すべてにおいて中国優先で厳しかったですれど、あまり日本を意識することはありませんでした。むしろニュ−ヨークに行ってからは日本人としての誇りを感じるようになりました」

1308yuriko_kajiya03.jpg 写真提供/ジャパンアーツ 1308yuriko_kajiya04.jpg 写真提供/ジャパンアーツ

ABTのバレエ活動について。
「ABTのメインシーズンは2ヶ月あります。日曜日以外は毎日公演やリハーサルがあります。週に2日のダブルで公演がある時などは、リハーサルの方が追いつかなくなってしまいます。演目もいつもクラシックばかりでなく、ラトマンスキーなどの作品も踊りますから、身体もたいへんです。とにかく、他のカンパニーのダンサーからも驚かれるくらい厳しいスケジュールが組まれています。ABTは基本的にはツァー・カンパニーなので、アメリカ国内を移動するだけでも時差があって、本番に向けて時差ぼけの対策も必要になります」

1308yuriko_kajiya05.jpg 写真提供/ジャパンアーツ

バレエダンサーとして心がけていること、リラックス法などについて。
「バレエダンサーは踊らなければならないので、アスリート並みに食べます。メトロポリタン・オペラ・ハウスはキャパシティも3000席以上あるので、バックもスぺースが大きいんです。リハーサル室や楽屋を移動するだけでも時間が掛かります。リラックスするために時間をみて昼寝をしたり、ジムに行って身体を動かしたり、プールで関節を開放させたりしています。子供が大好きなので、教えることも楽しい。私の経験から言っても先生の言葉より、現役のバレリーナの言葉のほうが憧れがあるから効果的だったりします。もちろん、教える難しさを理解しなければなりませんが」

2014年のABTの来日公演では。
「ラトマンスキー版の『くるみ割り人形』の主役を踊ります。ラトマンスキー版では第1幕のクララは子供ですが、私はクララが憧れる大人になったクララの役です。お話は世界中で踊られている『くるみ割り人形』とだいたい同じですが、ラトマンスキー独特のジョークが潜んでいます。ヴァリエーションにもジョークがはめ込まれていいますから、観ていて『あれっ?』と思うかもしれません。ぜひ、楽しみにしていてください」

加治屋百合子がアレクサンドル・ハムーディと踊るラトマンスキー版『くるみ割り人形』。このヴァージョンは、七つの頭を持つ王様が登場するネズミの大群とおもちゃの兵隊の戦いもユーモアたっぷりだとか、大いに楽しみだ。

2014年ABT来日公演詳細
http://www.japanarts.co.jp/abt2014/index.html