11月27日、東京宝塚劇場で月組公演『ラスト プレイ-祈りのように-』/『Heat on Beat!』の幕が開いた。
公演初日の午前中に行われた舞台稽古がマスコミ公開され、稽古終了後にはトップスターの瀬奈じゅんが会見した。
『ラスト プレイ』は孤児院で育った一人の青年が、最高のピアニストになることを夢見て全てを捧げ、優勝を目指し挑戦したコンテストの最中に極度の緊張から倒れ、そのトラウマによりピアノが弾けなくなるところから始まる。青年アリステア(瀬奈じゅん)が裏社会で生きるムーア(霧矢大夢)と出会い、様々なトラブルや人間関係を経験し、再びピアノを、そして自分の生きる道を見つけるまでを描いたミュージカル。演出は正塚晴彦。
筋はシリアスなストーリーだが、コメディタッチの場面もあり全体的には明るい内容となっていた。アリステアの苦悩の深層心理を描いたような平澤智振付のダンスシーンも印象的。
主演をつとめるトップスターの瀬奈はこの作品を最後に退団することが決まっており、まさに「ラストプレイ」。シンプルながらも退団公演にふさわしいドラマティックな作品だった。
『Heat on Beat!』はジャズ、ロック、タンゴなど様々な音楽でつづられたショー。
カラフルな衣裳のスター達が次々と歌い踊るオープニングで幕が開く。ロックのシーンでポアントを履いたミューズが現れたかと思うと、紅い椅子を効果的に使ったクラブの場面では、男女の大人の魅力を見せる。ラテンのシーンではマンボのリズムで華麗なラインダンス、そして宝塚らしいセクシーなダンスや爽やかなダンスと、次々と歌と踊りが繰り広げられる。
トップスターの瀬奈は何気ない仕草や動きが大変サマになる人だ。裸足で踊るソロダンスは込められた想いが伝わる様で大変印象的。また、フィナーレのタンゴからボレロへと続く黒燕尾姿の男役の群舞は圧巻だ。
稽古後の会見で、瀬奈は「お芝居の方は身近に感じていただける作品だと思うので、何か自分と重なる点や感じるものを見つけていただけたら嬉しいですし、そういう人情味あふれるところが見所です。ショーの方は若手も大活躍してますし、すごく個性的な場面が多いので、その七変化を感じ取っていただけると嬉しいです」と見所を語った。
今回の作品の中で退団を控えた瀬奈にとって一番感慨深いシーンは?という質問には「一人で裸足で踊る場面は、床の傷やセリを見ると、あの時このセリ乗ったなとか、この傷いつも見てたな、とすごく思い入れのあるステージで踊っていると、感慨深いものがあります」と。
また「18年間やってきて、突然この生活ではなくなるという寂しさはあるけれど、やり切ったという思いも強いので、晴れやかな気持ちで今は毎日を過ごしています」と退団まであと一月間という現在の心境を語った。
退団後はまだ活動予定は決まっていないそうだが、女優業については「やりたいとは思いますが、私もずいぶんと自分が変わっていかなくてはならないので、大変だとは思いますができれば挑戦したいと思います」と話した。
瀬奈の宝塚生活最後となる月組公演は、12月27日まで。
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宝塚歌劇月組公演
ミュージカル・ロマン『ラスト プレイ』-祈りのように-
ファンタスティック・ショー『Heat on Beat!(ヒート オン ビート)』