上演された振付は順に、『Vier letzte Lieder』(1977年作、振付:ルディ・ヴァン・ダンツィヒ、音楽:リヒャルト・シュトラウス)、『Suite for Two』 (2006年作、振付:Krzysztof Pastor、音楽:バッハBWV1008)、『Frank Bridge Variations』(2005年作、振付:ハンス・ファン・マーネン、音楽:ベンジャミン・ブリテン)、そして『The Second Detail』 (1991年作、振付:ウィリアム・フォーサイス、音楽:トム・ウィレムス)。コンテンポラリーと括られる4作だが、振付と音楽がどれほど強く結びついているかによって、振付の普遍性がより一層高まる、ということを強く感じた。言い換えれば、片方だけよくても駄目なのだ、と。
フォーサイスを除いては、音楽は振付家が選ぶ前から、どれもとても強い個性を持っていた曲ばかり。残念ながら、最初の2作は、まず音楽と拮抗できるほどの強さ、独自性を持っていなかったように感じた。『Suite for Two』は、現在、マーネンとともにカンパニー所属の振付家であるKrzysztof Pastorが今回の公演のために振付けたものとのこと。言っても仕方ないことだが、もう少し時間があれば、違ったものになった可能性も。『Vier letzte Lieder』は、この作品より数年先んじて創作されたケネス・マクミランの『大地の歌』を思い浮かべるシーンが、いくつもあった。「死」を扱うにしては、どこかもう一歩踏み込む勢いがなく、シュトラウスの旋律が舞台の主導権を握っていたようだった。
フォーサイスの『The Second Detail』は、創作された年代から推測できるように、バレエ・ファンが彼に期待する典型的な振付、と言い切ってもいいだろう。13人のダンサーが、それぞれの身体の限界に挑むような、それでいてバレエの様式美を感じさせる振付だった。オランダ国立バレエ団のダンサーのエッジがきいた踊りは、ウィレムスの挑発的な音楽にひけを取ることはなかった。